玄「わたしと?」 穏乃「わたしと?」 憧「わたし?」の続きです。


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新幹線

初瀬「ねー、憧?」
憧「んー?」
初瀬「私から誘っておいてなんだけどさあ」
初瀬「本当に私で良かったのか?」
憧「なーによそれえ」
初瀬「だって…。憧は、阿知賀は全国大会であそこまで行ったんだぞ?」
初瀬「それなら、もっと」
憧「強い人と組めるって?」
初瀬「う、うん…」
憧「…」ジー
初瀬「な、なにさ」
憧「なるほどねえ」ニマニマ
初瀬「なんだよ!」
憧「べっつにー」
初瀬「ニヤニヤするなよお」

憧「いや、初瀬はさあ?」
初瀬「うん」
憧「私が麻雀強いって思ってる?」
初瀬「そりゃ、そうだよ」
憧「そか」
初瀬「うん?」
憧「いや、いつだったかも言ったけどさ?」
初瀬「うん」
憧「正直ピンと来てないんだあ、実際」
初瀬「なにがよ」
憧「わたしって麻雀強いのかなって」
初瀬「話がループしてるよ」

憧「ああ、ごめんごめん。わたしはさ」
憧「インハイ終わってよくよく考えたらさ」
憧「シズのために、玄のために、晴絵のために、って」
憧「誰かのために麻雀してたんだよね」
初瀬「そうなのか?」
憧「うん。それにこども麻雀クラブにいたのだって」
憧「シズ達と遊べるからだったし」
憧「阿太中に行った時は麻雀がんばろって思ってたけど」
初瀬「うん」
憧「結局シズと玄がいる阿知賀を選んだわけだし」

憧「もし、もしもだよ?」
初瀬「うん」
憧「あの時、あ、シズに誘われた時ね?」
初瀬「分かってるよ」
憧「麻雀部じゃなくて、他の部活例えばテニス!とかって言われても」
憧「もしかしたら、ふらふらっとそっち選んじゃったかもなあってさ」
初瀬「…」
憧「わたしにとって麻雀は」
憧「手段であって目的じゃなかったのかなってさ」
初瀬「そっか…」
憧「うん」

初瀬「馬鹿じゃないの?」
憧「ええ!?」
初瀬「そんなことでちょっとアンニュイ気取ってたのかよ」
憧「ひどー。気取ってたんじゃないわよ本気で悩んでたのに」
初瀬「お前麻雀好きだろ?」
憧「うーん。そうだなあ…」
初瀬「あのねえ。お前本当に贅沢言ってるよ?」
憧「えー」
初瀬「恵まれすぎ、運が良すぎ」
憧「なによう」

初瀬「だってそうだろ?阿知賀のメンバーって」
初瀬「よくよく聞いたらお前以外」
初瀬「麻雀のブランクあるんじゃんか」
憧「そうだっけ?」
初瀬「そうでしょ!?あの部長なんて10年近く離れてたらしいし!」
初瀬「次鋒のあったかお姉さんはそもそも身内麻雀以外ほとんどやってないんでしょ!?」
憧「あー、確かにそうだったわ。忘れてた」
初瀬「今年の阿知賀はさ、赤土さんも言ってたけど奇蹟だったの!」
初瀬「ブランクある4人が特殊な打ち方ができて」
初瀬「晩成を押しのけてインハイ行ってあんな成績を収めてさ」
初瀬「そんな中に、お前がしれっと居たのよ」
憧「確かにそうだなあ」
初瀬「ムフッ。なんで他人事みたいなのさ」
憧「いやあ、なんかもう遠い昔の出来事のような…」トオイメ
初瀬「老人か」ペシッ
憧「いたー。やめてよもー」

初瀬「ウチが負けたのはすぅっっごく、悔しいんだけどっ」
憧「キアイハイッテンナー」
初瀬「フフッ。なにそれ江口さんの真似?」
憧「わかったー?」ケラケラ
初瀬「そういうのいいから。悔しいんだけど」
初瀬「だから分かるよ。あの強さは、本物だよ」
初瀬「お前は恵まれてるから」
初瀬「赤土さんの凄さも」
初瀬「他の部員の強さも」
初瀬「お前自身の強さも」
初瀬「実感として分からないだけだよ、きっと」
憧「そうなのかなあ…」

初瀬「多分努力したこともそれ以上の楽しさとかで」
初瀬「分からなくなってるだけでしょ」
初瀬「強豪校でもなかなかできないよ。毎週末に遠征とか」
憧「え、そうなの?普通だと思ってた」
初瀬「ほら、これだー。もうそれだけでもとんでもない事だぞ?」
憧「晴絵が結構簡単にやってた感じだったしさー」
初瀬「…。もうやだ何この弱小の皮をかぶった強豪校…」

憧「…。いやそういうのも含めてさ」
憧「ひっぱられるままに麻雀してたなあって思ってさあ?」
憧「だからあんたとチーム組むんじゃん」
初瀬「んん?え?話飛んでない?」
憧「飛んでないわよ」
初瀬「ごめん、わかんない」
憧「ばーか」
初瀬「ええ!?なにそれ!?」

憧「アハハ。ごめんごめん」
憧「さっき行ったようにさ、わたしが自分で麻雀打ってたのって」
憧「やっぱり阿太中ん時だった訳」
初瀬「…。ああ、そういうことか」
憧「せっかく阿知賀の皆と分かれて戦う機会だしさ」
憧「仮に自分で皆と立ち向かうとしたらさ」
憧「やっぱあんたが横にいてくれないと」
初瀬「…。お前わたしの事好きなの?」

憧「別に?」
初瀬「…」
憧「…」
初瀬「…」
憧「うーそ!嘘!大好きー!初瀬大好きー!」
初瀬「いや、まあ良いんだけど」
憧「あんたこそわたしとチーム組みたかったんでしょ?」
初瀬「はぁ!?なに言ってんのそんなわけないじゃ」
憧「由華先輩が言ってたもーん」
初瀬「あ、あの人は…」
憧「まあ、負けてもいいんじゃん?」
初瀬「え?」
憧「今はさ、もう1回麻雀と向き合いたい」
憧「一番麻雀打ってたわたしを知ってるあんたとさ」
初瀬「…。分かったよ。わたしも頑張るからさ」
初瀬「負けるとか言うなよな」
憧「うん」
初瀬「わたしは麻雀で負けたくないし」
初瀬「お前にも負けたくないんだ」
憧「…。そだね。頑張れわたしのライバル!」
初瀬「お前もな!わたしのライバル!」

憧「…フフ」
初瀬「…フフフ」

マモナクトーキョー トーキョー

憧「あ、ついたついた」
初瀬「…。ところでわたし達はどこへ行くの?」
憧「フフフ。ついてこーい」ダダダ
初瀬「ちょ、待ってわたし東京ほとんどはじめて…」ダダダ


……………。
…………………………。


憧「シブヤ!」
初瀬「ほほ~、ここがかの有名なあの…」
憧「ま、わたしもほとんど来たことないけど…」
初瀬「で、なにしに来たの?」
憧「いや、こんどのチーム戦はさ」
憧「チームコンセプトが大事、ってあったでしょ?」
初瀬「あったねえ」
憧「わたしと初瀬が組むとしたらコンセプトは…」
初瀬「偏差値?」
憧「ちょ、やめなさいよ。絶対それ他で言っちゃ駄目」
初瀬「え?なんで?」
憧「…。あんた新幹線で人にあれだけ偉そうに言っといて…」
初瀬「え、なにを?」
憧「…。いーから偏差値とか無し!」
憧「それに、だったらわたし抜きで晩成でチーム組んでも一緒でしょ?」
初瀬「あー、そっか」

憧「わたしさ、インハイ行って気づいたんだ」
初瀬「なにを?」
憧「あそこにはおしゃれに気を配っている女子がほとんどいなかった!」ババーン
初瀬「確かに…!」
初瀬「だけど麻雀とおしゃれって関係ないんじゃ」
憧「だから良いんじゃん?コンセプトとしては目立つっしょ?」
初瀬「わたしもあんまり…」
憧「うーそ。わたし知ってるからね。初瀬の…」
初瀬「あー!わかったやめて言わないでそうです気にしてます」
憧「フフン。ということでコンセプトはおしゃれ?」
初瀬「うーん」
憧「だから来たのだ!渋谷に!」
初瀬「やりすぎじゃない?」
憧「そんなことない!やると決めたら突っ走るのよ!」
初瀬「…。なるほどねえ。それなら女子力!とかの方が良いんじゃん?」
憧「あ、それいいかもー」クルクル
初瀬「あんまりはしゃぐなよ!」

ドン!

憧「あいたー。すいませーん」

オウアンマリチャラチャラスンナヨネーチャン

初瀬「…。うわ、怖そうなお姉さんの集団だ…」
憧「すみません。本当に」ペッコリン

ンダヨコイツウリヤッテソナカオシヤガッテオイコラ

憧「むむむ…」

オウソノカオナンダヨオイ

憧「すみませんでした…」
初瀬「すみません。本当に」

ハナシニナンネーヨチョットコッチコイヤ

グイ!

憧「いたっ!ちょ、やめてください!」
初瀬「憧!」

テイコウスンナヨオウアクシロヨ
ヨツンヴァインニナルンダヨオウ

?「あら~ちょっと~なにやってんの~」

ア!コンチワッス!

?「ふ~ん。なんか~、そういうことして~」
?「治安?とか~乱すの嫌いって先輩言ってたじゃな~い~?」
?「先輩すぐそこにいるんだよ~」

エ!マジスカ!
チョ!スンマセンシオリンサン

?「もう行って~アンタ達の顔もう見たくないから~」

スンマセンッシタイクゾ!
ア!マッテ!
アクシロヨ!

?「大丈夫~だった~?」
憧「あ、はい…。ありがとうございました。本当に」
初瀬「ありがとうございました…。って…。あれ?」
憧「なによ?…。あ、あなた、確か…」

初瀬「越谷女子の水村さん!?」

史織「え~、知ってる系~?」
憧「わたし、今年のインハイで戦った阿知賀の…」
史織「あ~本当だ~。確か…。中堅の新子憧ちゃん?」
憧「は。はい!覚えててくれたんですか?」
史織「もちろん~。凄かったねえ、強かったねえ阿知賀~」
史織「阿知賀と戦った~っていうの自慢だよ~」
憧「ありがとうございます」テレテレ
史織「憧ちゃんわたしとタメでしょ~敬語とか良いよ~」
憧「で、でも…」
史織「いいっていいって~」
憧「ほんと?」
史織「もちろ~ん。さっきごめんね~?ああいうのはさ~いるんだよ~渋谷にはさ~」
憧「怖かった…」ジワ
史織「そだよね~。大丈夫だよ~。お友達もごめんね~」ナデナデ
初瀬「はい、本当ありがとうございました」

?「お、どしたんしおりーん?」
史織「あ、先輩~。ほら見て~。阿知賀の憧ちゃん」
?「おあ、本当だ!なになに!?どしたん?」トテテ
憧「グス…。あ、あなたは…?」
花子「お、覚えててくれたん?越谷の花子ちゃんだよん」ニシシ
花子「阿知賀凄かったよね!ほんと!かっこよかったよね!」テーニギリーブンブン
憧「あ、ありがとうございます…」
花子「で、どしたん?しおりんがやったん?」
史織「ちがいます~」
花子「憧ちゃん泣かせてー」
史織「さっき~」

セツメイチュウ

花子「ほーん。やらかしてくれちゃったのねー?」
史織「先輩来るって言ったら逃げてきましたけど~」
花子「逃がさん。渋谷にその生命を落とさせたる」ケータイイジリー
花子「憧ちゃんとお友達ちゃんごめんねー」ケータイイジリナガラー
憧「わ、すご…」
花子「え、何が?え?これ?」ケータイイジリー
初瀬「それ、メール打ってるんですか?」
花子「うん。そだよん。あいつらを逃がすなーって今一斉に」
史織「これくらい普通だよ~」
花子「よーし、終わりー。これで奴らは二度と渋谷に。ニシシ」
憧「す、凄いんですねえ」
花子「んにゃんにゃ。渋谷嫌いにならないでねー?」
憧「それは、うん。大丈夫」
花子「そっかそっか良かったよー。憧ちゃん強い子だー」ナデナデ
憧「ふきゅぅ」
花子「んでんで?今日はどしたん?奈良からわざわざ来たの?」
花子「ショッピング?服?アクセ?案内しようか?」
初瀬「実は…」


……………。
…………………………。


花子「ああー、確かに来てたね、案内が」
史織「そっか~、憧ちゃん頑張ってね~」
憧「あ、あの!」
史織「な~に~?」
憧「良ければその、わたしのチームに入ってくれませんか!?」

花子史織「「えええええ!?」」

史織「え~流石にそれは~」
花子「いや、しおりん出ろよ。面白いじゃん」ニシシ
史織「わたし駄目です~もう予定入ってます~」
花子「なんだよー。来年の麻雀部を背負って立てよー」
史織「わたしじゃ~もてな~い」
花子「憧ちゃん可哀想だろ」
史織「じゃあ~、先輩が出たら良いと思いま~す」
花子「はぁ?もう引退した気満々だったけど…」
史織「まだ麻雀やりた~いって言ってたじゃな~い?」
花子「そりゃまあ言ったけどさあ…」
史織「インカレか~、大学入試か~とか言ってたし~」
花子「うーん」

憧「浅見さん。駄目ですか…?」ウルウル
花子「ぐぬぬ…。その目は反則…」
史織「あ~先輩憧ちゃん泣かしてる~」
花子「んあああ!もう。分かった!出る!出るから泣かないで!」
憧「ほんと!?」パァァァ!
花子「もう。言った途端これだよー騙されたかなー」
憧「エヘヘ」
花子「ただし条件があります!」
憧「え?」
花子「わたしのことは花子ちゃんと呼ぶこと!」
憧「え?」
花子「なんかねー、浅見、って固いんだよなー」
史織「これ、先輩ずっと言ってるの~」
花子「しおりんは上手く先輩って逃げたけど憧ちゃんはそれ駄目よー」
花子「あ、あと敬語も禁止ー」
花子「どう?できるかな~」ニシシ

憧「わたし花子ちゃんとチーム組みたい!」
花子「むお。簡単にクリアされちゃったよん。君は…初瀬ちゃんだっけ?」
初瀬「は、はい」
花子「あれー?おやー?それじゃチーム組めないかなー」
初瀬「できる!憧と花子ちゃんとわたしでチーム組むぞ!」
花子「おっと初瀬ちゃんは男前なキャラなのかー」
初瀬「あ、いや、すみま…」
花子「おっけおっけー。分かった!初瀬ちゃんはそれで行こう!」
初瀬「ええ!?」
憧「よろしく!花子ちゃん!」
花子「了解だよん。この大会で目立てばー」
花子「もしかしたら大学推薦とかー。ヘヘ」
花子「もらえちゃうかもだしねー。ニッヒッヒ」
花子「あ、リーダーはやだよん?」

憧「あっ、はい」
花子「ほらまたー」
憧「あっ、リーダーはわたしがやるから任せて!」
花子「よっしゃー。いっちょ頑張りますかー」
史織「わたしは応援するね~」
花子「ん?しおりん予定は?」
史織「しらな~い」
花子「あ、このやろ」

憧「よーし、頑張るわよー!」


========================エントリーNo.003

新子憧(阿知賀女子学院1年/チームリーダー)
岡橋初瀬(晩成高校1年)
浅見花子(越谷高校3年)

チームコンセプト:
やっぱり女子は女子力がなきゃでしょ!

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カン!

その4へ続く!

【咲-Saki- 3on3SS】Index