健夜「3対3のチーム戦?」 恒子「そう」の続きです。

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阿知賀女子学院

晴絵「あ、そこはこっちの方がいいかなー」
やえ「…。ああ、本当だ。確かにそうです」
由華「ああ、そっか。そうなるんだあ」ホホー

初瀬「…。やっぱずっこい…」ジロ
憧「む。なによ」
初瀬「なにこの凄い指導者」
憧「えー、そっかなあ」
初瀬「…。これは強くなるのも分かるわ」
憧「なってるのかなあ」
初瀬「…」ペシッ
憧「あいた。なんで叩くのよー」

晴絵「そうそう。そこで迷って正解。判断基準は…」
やえ「…。こっちはダメですか?」
晴絵「ダメ。対面がこの順目で、この順番で捨ててるから…」
由華「ふんふん。あ、そっか。こっちが無くなるんだ」

穏乃「じゃあ…。清一色当たり牌のハイ!」バッ
玄「えーと…」
灼「二三八!」
穏乃「ブー!」
宥「二五八九?」
穏乃「ピンポーン!また宥さんの勝ちー」
玄「ちょ、はやいよー」
灼「筒子ならわかるのに…」

初瀬「…練習…?」
憧「いや、遊んでるんでしょ」
初瀬「…。これであんだけ強いってんだから反則よ」
憧「いやあ」
初瀬「褒めてないからね」
憧「なんでよ。褒めてよ」
初瀬「まあ…。あんだけの結果を残したら文句は言えないよね」
憧「出来すぎっちゃ出来すぎだもんねえ」
初瀬「その反動で気が抜けてると」
憧「…。ま、ね…」

晴絵「ちがーう。そこはいかなきゃだよ」
由華「え、でも。こっちが危険じゃあ」
晴絵「振り込みは悪って考えは捨てなきゃダメ。よく見て。点数状況が…」
由華「…。そっか。仮にここで振り込んだとしても最高でこれだけだから…」
やえ「あー。確かにそこで突っ張られると怖い」

初瀬「阿知賀は個人戦出てないから…」
憧「そ…。晴絵に個別で指導を受けるのも終わりなの」
憧「その分奈良県個人戦代表との合同練習をって訳」
初瀬「わたしもついて来て良いって言われて嬉しかったなあ」
憧「そんなに晴絵は凄いのかなあ」
初瀬「…寂しいね?」
憧「いやあ、晴絵がプロになるって方が嬉しいよ」
初瀬「フフ。強がってる」
憧「ノンノン。ただ…ちょっと…ね?」
初瀬「だよね」
憧「うん」

穏乃「盲牌チャレーンジ!ハイ!」
玄「…5ピン!」
灼「白!」
玄「ずるい!」
宥「五萬?」
穏乃「玄さんだけ不正解ー」
玄「もー、わかんないよー」

晴絵「そうそう。ここまで考えてようやく、ってところかな」
やえ由華「「ありがとうございました」」
晴絵「いやいや、素直で教えがいがあって良いよ」
晴絵「こいつらは、もうあんなんだから」ハァ

穏乃「赤5ピンどーれだ?ハイ!」
玄「これ!!」バッ
穏乃「はやっ!」
灼「ドラ絡みはずる…」
宥「玄ちゃん凄い~」パチパチ

やえ「フフ。しかし…。本当に奇蹟みたいなチームですね」
晴絵「本当にね。こいつらだから、あそこまでいけたよ」
由華「でも…。来年は松実宥さんが卒業して…」
やえ「赤土さんもここには…」
晴絵「…そうなんだよね。こいつらは個人戦も無いし」
晴絵「あんな結果残しちゃったもんだから、次の目標を探さないと」
晴絵「…。なんて思ってたんだけど…。晩成にも届いたよね?」
やえ「…。はい。連絡来てました」
晴絵「最後の指導ができるってもんだ」ニヤ

晴絵「はーい。注目ー」

……………。
…………………………。

穏乃「3対3のチーム戦!?」
晴絵「そういうこと」
玄「へえー」
宥「大変そうー」
灼「皆どうする?」
憧「阿知賀で1チーム作る?」
穏乃「えー、それだと皆で参加できないじゃん」
やえ「3人なんだからそもそも皆では参加できないだろ」
穏乃「うーん」

宥「玄ちゃんと憧ちゃんと穏乃ちゃんで出たら?」
灼「うん。阿知賀を再生したのは3人だし…」

玄「わたしと?」
穏乃「わたしと?」
憧「わたし?」

玄穏乃憧「「「…」」」カオミアワセー
玄穏乃憧「「「…」」」カンガエー

玄穏乃憧「「「無理無理無理無理!!」」」フルフル

憧「ちょ、この3人で戦うの想像したけど!」
玄「ね、ねー!?思った以上に心細かったよ!」
穏乃「こわ、こわー!なにこの不安加減半端ないよ!」

ダダッ

灼宥「「わわ」」ダキツカレー

憧「はあー、落ち着くわー」ギュー
穏乃「はあー。駄目ですよ!やっぱり灼さんと宥さんがいないと!」ギュー
玄「おねーちゃー!あらたちゃー!」ギュー

晴絵「やっぱりそうなるよなあ」アハハ

やえ「確かにね。今年の団体戦」
やえ「次鋒副将の2人が阿知賀のキーパーソンだった」
由華「ええ。あの2人が全国の舞台で安定して稼いでいたから」
初瀬「あそこまで上り詰めたんですもんねえ」

晴絵「お前たちは本当に素晴らしいチームだった」
晴絵「お互いを認め合い、補完しあい…」
晴絵「まさに団体戦における奇蹟のような5人だと思うよ」

玄穏乃憧宥灼「「「「「ウフフフフ」」」」」キャッキャ

晴絵「だけど…お前たちは5人で戦うことに特化し過ぎた」
晴絵「来年。宥はいないんだぞ?」

玄穏乃憧宥灼「「「「「あっ…」」」」」

晴絵「そして、わたしもプロに行く」

玄穏乃憧宥灼「「「「「…」」」」」

晴絵「そこでだ。わたしからの…。ほぼ最後の指導だ」
晴絵「お前ら5人でそれぞれ戦え!」

玄穏乃憧宥灼「「「「「…」」」」」
玄穏乃憧宥灼「「「「「えー!!!」」」」」

晴絵「そもそも今の阿知賀で一番強いのは誰だ?」
晴絵「部内での競争が無いってのは」
晴絵「弱小チームの特権でもあり弱点でもあるんだ」

やえ「弱小…」
由華「阿知賀が弱小…?」
初瀬「どの口が言うか…?」

晴絵「あー、いやいやごめんごめん。あの今はね」
晴絵「阿知賀の指導だから、ね?晩成とは違って、ね?」アセアセ

やえ「いえいえ、冗談です」クス
晴絵「やめてね?そういうの?わたし気にしぃだからね?」ホントニ
由華「いい先生だよねえ」
初瀬「羨ましいですよねえ」

晴絵「ま、特殊な打ち手が多いってのもあるけど…」
晴絵「玄や宥が同卓してれば、それなりの対策をした打ち方になるしな」

憧「まあ…。ドラは来ないし?」
穏乃「赤いのは来ないし?」
灼「筒子を集めて清一色へ…」

晴絵「ほらな。そうすると灼の打点はとんでもないことになる」

灼「…いえい」
晴絵「いえい、ではなく。だとすると憧や穏乃は?」
穏乃「スピード重視!」
憧「無理鳴きにいっちゃうかなあ」

晴絵「ってなると穏乃が一番不利になるよなあ」
穏乃「諦めないで頑張る!」
晴絵「ってやりだすと、山が奥へ奥へ行くから…」
宥「赤いのが来にくくなるの~」
灼「筒子は早めに決め打って他のところで待つかな…」

由華「3すくみならぬ5すくみ…?」
やえ「いや3すくみ×10通り…かな?」
初瀬「同卓している4人だと6通りですね」

晴絵「今年の阿知賀は良くも悪くも」
晴絵「情報戦としては常に優位に立っていた」
晴絵「だけど、来年は違う」
晴絵「だとすれば、やっぱり物を言うのは基礎的な雀力」
晴絵「相手への対処。個々の強さだよ」

晴絵「という訳で、この戦い。全員参加すること」
晴絵「ただし阿知賀同士でチームを組むことは禁止な!」

玄穏乃憧宥灼「「「「「えー!!!」」」」」

晴絵「晩成の皆も、もしこいつらと組みたかったら」
晴絵「誘ってやってくれな?」

やえ「阿知賀の皆なら引く手数多でしょう?」
晴絵「だと良いけどなあ」アハハ
初瀬「…」
由華「初瀬どうかした?」
初瀬「!いえ、なんでも…」
由華「ふぅん。誘いたかったら早めにね?」ニマ
初瀬「いや、そういうのでは…」
由華「ふぅーん」ニヨニヨ
初瀬「ちょっと先輩!」
由華「アハハ」

穏乃「どうしよー?皆と戦うなんて考えたことも無かったや」
宥「赤土さん。わたしは別に出なくても…?」フルフル
晴絵「ダメー」
宥「ええ~」ガーン
憧「宥ねえは一番誘いが来ると思うけど」
灼「うん。全国であれだけ安定した打ち手は他にいない」
宥「あったかくない人は嫌だなあ」フルフル
宥「玄ちゃんはどうするの?」
玄「…」シャッシャッ キュッキュッ
宥「玄ちゃん…?」

穏乃「お、おお。玄さんが一心不乱に」
憧「インハイのパンフを捲りながら、マジックで○をつけている」
灼「ま、まあ…。なにをしてるかは聞かなくてもわか…」

玄「…おもち…○…おもち…×…」シャッシャッ キュッキュッ
玄「やっぱり永水かなあ。石戸さん神代さん◎!滝見さん○!」キュッキュッ
玄「ウフフフ!楽しくなってきたよ!」シャッシャッ キュッキュッ

晴絵(さて、わたしはわたしで…)


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姫松高校

洋榎「あー、しゃあないしゃあない」
洋榎「いやいや、ええよ、そんなに畏まらんでも」
洋榎「アハハ。せやなあ。いやいや、ええってほんまに」

漫「主将誰と電話してるんです?」
由子「わからへんのよ~」
恭子「まあ、チームの誘いやろけどなあ」
絹恵「…」

漫「末原先輩はどうしますのん?」
恭子「や、それがなあ…」
由子「恭子りんは大変やもんなあ」
恭子「恭子りん言うなや…」
由子「ひっきりなしに連絡来てるのよ~」
漫「わ、すごいですやん」
恭子「めんどくさいわもう」

洋榎「さよか。頑張ろなーほんならなー」
洋榎「…」スタスタ
洋榎「はぁ…どっこいしょ」スワリー

漫「誰と話してましたん?」
洋榎「ん?んー。松実姉や」
恭子「阿知賀のです?」
洋榎「せや」
由子「誘ってたの~?」
洋榎「お姉ちゃんズっての考えたんや」
漫「お姉ちゃんズ?」
恭子「ってもしかして?」
洋榎「インパクトあるやろ?」
由子「もう一人は…宮永照?」
洋榎「せやで?」

恭子由子漫「「「アホか!!」」」ドン!

洋榎「」ビクッ
洋榎「なんやねん」
由子「アホなこと言いな。宮永姉、松実姉、愛宕姉て」
漫「強すぎですやんか!」
洋榎「せやろ~。流石やろ~」
由子「ちょっと周りのことも考えてほしいのよ~」
洋榎「とおもったんやけどなあ」
恭子「断られましたの?」
洋榎「おもっきり断られたわあ」
絹恵「!」パァァァ
洋榎「なに喜んでんねん絹ぅ」
絹恵「よ、喜んでへんわ」

洋榎「でも、まあしゃあないわなあ」
洋榎「絹。一緒に出よか?」
絹恵「そんなん、しゃあないで誘われたないわ」ウキウキ
由子「めちゃくちゃ嬉しそうなのよ~」
絹恵「ま、しゃあないから一緒に出たるわ」ソワソワ
恭子「3人…。もう1人は…ああ、いたなあ」
漫「え、誰です?」
洋榎「まあ、ウチと絹がチームなんなら」
洋榎「もう1人は言わずもがなやろ?」
洋榎「絹。連絡しといてもらってええか?」

絹恵「浩ちゃんはOKや言うとったわ」

恭子洋榎由子漫「「「「早いな!」」」」ドン!

絹恵「エヘヘ」


========================エントリーNo.002

愛宕洋榎(姫松高校3年/チームリーダー)
愛宕絹恵(姫松高校2年)
船久保浩子(千里山女子高校2年)

チームコンセプト:
愛宕の血が最強であることを証明したるわ!

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カン!

その3へ続く!

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