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ファミレス
恒子「はいドリンクバー!」サシダシー
健夜「…なにとなに混ぜたの?」
恒子「…」
健夜「無言はやめようよ」
恒子「…混ぜてないよ」
健夜「単品でこんな色の飲み物無いよ!」
恒子「おいしいから」
健夜「…じゃあ、あげるよ」
恒子「わたし、そういうんじゃないから」
健夜「どういうのさ!」
恒子「もう、すこやんはわがままだなあ」ブーブー
健夜「えっ、わたしが悪いの?」セキタチー
恒子「あれ、どこいくの」
健夜「捨ててくるよ…」
恒子「勿体無い」
健夜「誰のせいなの!?」
恒子「すこやん」
健夜「迷いなく!?」
恒子「じゃあ美味しかったら?」
健夜「んん?」
恒子「すこやんは今その飲み物?が美味しくないと思ってるんでしょ?」
健夜「飲み物?って言ってる時点で飲み物では無いんだよ…」
恒子「いーから!だったら美味しかったらどうするのさ」
健夜「…。どうもしないし飲まないよ」
恒子「えー?」
健夜「せっかくお金だしてるんだから美味しいのが良いよ」
恒子「そんなんだから…」ゴニョゴニョ
健夜「…今なんて言った?」
恒子「べっつにー」
健夜「そんなんだから独り身だしって言ったでしょ!?」
恒子「言ってないよー」ツーン
健夜「じゃあ、これ飲んだら独り身じゃなくなる?」
恒子「えっ」
健夜「えっ」
健夜「…。捨ててくるね」
恒子「うん。なんかごめんね」
……………。
…………………………。
健夜「メロンソーダおいしい」チュー
恒子「…」ジー
健夜「ん?なあに?」チュー
恒子「んー?すこやんってさあ?」
健夜「うん」
恒子「まだ麻雀強いの?」
健夜「んー?どうだろうなあ…」
恒子「え?迷うの?」
健夜「強いって言ってもさ、色々あるんだよ」
恒子「あー、そういう難しいことじゃなくてね」
健夜「えー?」
恒子「なんだろうなあ、ぶん殴ったらどっちが強い?とか」
健夜「麻雀関係ないよ!?」
恒子「いやいや、例えば格闘技とかで考えたらさ」
健夜「んー」
恒子「じゃあ、例えば今年のインハイ出た子だったら?」
健夜「何が?」
恒子「全員楽勝?」
健夜「んー。多分ね」
恒子「えっ」
健夜「えっ」
恒子「いや、さっき強い?って聞いたら迷ったじゃん?」
健夜「うん」
恒子「なのにあの子達には楽勝なの?」
健夜「うん」
恒子「うわ、即答だ」
健夜「多分だけどね」
恒子「…。自信あり?」
健夜「んー。どうだろうなあ」
恒子「えー、なんでそこで迷うのさ」
健夜「なんだろ?多分あの子達と麻雀してるってビジョンが」
健夜「思い浮かんでないから…。かなあ」
恒子「ふうん」
健夜「ねえ恒子ちゃん?」
恒子「なに?」
健夜「なに企んでるの?」
恒子「…」
健夜「白状しなさい」
恒子「…。えーとね?」
健夜「うん」
恒子「これ」サシダシー
健夜「なにこれ?企画書?」
恒子「うん。読んでみて」
健夜「3対3のチーム戦?」
恒子「そう」
健夜「なにこれ?」
恒子「えとさ。今年のインハイって個人戦が冬に延期になっちゃったじゃない?」
健夜「そうだね」
恒子「でね、団体戦が終わって冬までの間にね」
健夜「あ、本当だ。秋開催って書いてある」
恒子「そうなんだ。でねその企画ほぼ決なんだけど…」
健夜「ほぼ決?これ企画者福与恒子って書いてあるよ?」
恒子「うん!わたしが企画出したの!」
健夜「へー。凄い凄い!」
恒子「エヘ。でもね麻雀のルール部分がよく分からなくて」
恒子「人数が3人だと、団体戦のルールだけじゃダメでしょ?」
恒子「持ち点数?とかさ…」
健夜「あー、なるほど。そこでわたしが協力すれば良いんだね?」
恒子「お願いできる?」
健夜「うん。いいよいいよー。それくらいならー」キカクショメクリー
恒子「…」
健夜「なるほどねー」ペラ
健夜「あー、学校別じゃ無くても良いんだー」
恒子「そう!高校生3人1組なら参加可能!」
健夜「ふむふむ。何か制限は無いの?」
恒子「最初はさ、逆に同じ高校だけじゃダメ!とか」
恒子「1、2、3年生で1人づつ!とか考えたんだけど…」
恒子「どうにも上手くまとまらなくてさあ…」
健夜「へえー。色々考えたんだねえ」ペラ
恒子「だから一応エントリー制にしてね」
恒子「最終的には運営側で参加チームを選出するってことにはしてるけど」
恒子「実質全チーム参加OKにしたいんだあ」
健夜「確かに多少のふるい落としは必要かもね」
恒子「何かのコンセプトがあれば優先的に!とかすれば」
恒子「面白そうなチームが集まるかもしれないし!」
恒子「参加チームが4の倍数であれば」
恒子「勝ち抜けを1チームか2チームかだけ調整すればいいはずだし!」
健夜「そこは適当なんだね…」
恒子「だからすこやんの協力が必要なんだよぅ」
健夜「はいはい。ん?この特別招待選手枠っていうのは?」
恒子「うん。そこが制限になるんだけど…」
恒子「自由参加にしちゃうともしかしたら」
恒子「強い選手が参加してくれないかもしれないじゃない?」
健夜「あり得るねえ」
恒子「今年の団体戦でもそういうのが発覚したし!」
恒子「だから、そこで特別に招待しちゃいますよ!と」
健夜「…。強制参加選手ってこと?」
恒子「…。言い換えるとそうかな」
恒子「もちろんそこは伏せるところだからね?」
健夜「…。それで制限ってのは?」
恒子「一応特別招待選手同士はチームを組めないってことにしようかと」
健夜「ふうん。誰を考えてるの?」
恒子「うん。そこもすこやんに知恵を貸してもらいたかったんだ」
恒子「現時点では、そこに書いてあるとおり」
恒子「宮永照さん、宮永咲さん、天江衣さん、あと有珠山のあの子」
恒子「その4人を考えてるんだけど」
健夜「ああ、確かにこの4人は自分から参加しようとは思わないかもね」
恒子「でしょ!?」
健夜「でも…。この4人なら誰かがチームに誘うんじゃないかな」
恒子「やっぱそうかな…」
健夜「うん。それに宮永さん姉妹が同じチームになりたくても」
健夜「できなくなっちゃうんでしょ?うーん…」
恒子「さじ加減が難しいんだよねえ」
健夜「なるほどねえ。難しいねえ」ペラ
恒子「…」コソコソ
健夜「優勝チームには特典…。特典は別紙に…?」
健夜「恒子ちゃん」テヲサシダシー
恒子「ん?なに?」
健夜「なに?じゃなくて。別紙」ヒラヒラ
恒子「あ、あー。忘れちゃったー」テヘペロ
健夜「…」ヒラヒラ
恒子「…」
健夜「ん」ヒラヒラ
恒子「…。すこやんこういう時ちょっと怖いよね…」ハイ
健夜「一応お仕事だからね。ちゃんとしないとね」ウケトリー
恒子「…」
健夜「優勝チームは小鍛治健夜と対戦…?」クビカシゲー
健夜「…」
健夜「んんん???」マジマジ
恒子「…はい」
健夜「えっ。どういうこと?」
恒子「優勝チームは3人いるわけじゃん?」
健夜「3対3のチーム戦だからね」
恒子「だからその3人対すこやん」
健夜「…。えっ、なにそれ!?」
恒子「…。だってえ」
健夜「これほほ決なんでしょ?」
恒子「えっとね。今年のインハイの解説でさあ…」
健夜「うん」
恒子「すこやんインターネットとか見る?」
健夜「お母さんが良く見てる」
恒子「Twitterとかは?」
健夜「お母さんがやってる」
恒子「FacebookとかLINEなんかは…」
健夜「お母さんが覚えたいって言ってた」
恒子「…。お母さん以下」ボソリ
健夜「なにさ!良いじゃん別に!」
恒子「いや、知らないなら良いんだけど…」
健夜「えっ、なに。良くないこと?」
恒子「うーん。視聴者にも若い世代が増えてるしね」
恒子「すこやんが麻雀強いってのを知らない人達もいるわけで…」
健夜「う、うん」
恒子「行き遅れ老害乙wwwとか、若さへの嫉妬wwwとか…」
健夜「はぁっ!?」
恒子「違うの!わたしが言ったんじゃなくて!そういう意見もあって!」
健夜「ちょっと!誰さ!そういうのは、アレだよ!駄目だよ!」
恒子「わたしじゃないよ!でもほら!すこやんって毒舌じゃん?」
健夜「えっ。嘘だあ」
恒子「気づいてないだろうけど、結構言ってるんだよ…?」
健夜「えー、いつも気を使ってるけどなあ…」
恒子「うん…。多分その使い所が間違ってるのかなあ…」
健夜「え、それでどうなるわけ?」
恒子「いや、局のお偉方もね。今はそういう意見も気にしちゃってて」
恒子「本当に小鍛治健夜は強いのか?みたいな意見が出てさ」
健夜「はぁ…」
恒子「最初はさ、また解説だけをお願いするつもりだったんだけど…」
恒子「そんな話になっちゃって…」
恒子「啖呵切っちゃったんだよね…。小鍛治健夜は負けない!みたいに…」
健夜「えっ!?」
恒子「だってさあ、悔しいじゃない?」
恒子「すこやんはさあ、わたしの憧れの人なんだよお?」
恒子「あのインターハイからずっとファンの人をさあ?」
恒子「そんな風に言われたらさあ…。カチンと来るじゃんかあ…」ジワ
健夜「そ、そっかあ…。ありがとねえ。恒子ちゃん」ナデナデ
恒子「うん。だからこうなっちゃったんだけどね…」シュン
健夜「うーん…」
恒子「…」
健夜「これ3人対わたしで…。勝っちゃって良いの?」
恒子「もちろん!ボコボコにしちゃっていいんだよ」
健夜「そっかあ…。変に手加減しなくて良いなら、いけるかな」
恒子「いける?ほんと?」
健夜「良いよ。やってあげる」
恒子「ほんと!?わーい!」
健夜「ちゃんとルールとか決めないとね…」
健夜「持ち点…。赤ドラ…。ウマオカ…。役は…」
恒子「その辺はすこやんに任せる!」
健夜「丸投げ!?」
恒子「そう!わたしのすこやんは負けない!」
健夜「いつから恒子ちゃんのものになったのさ…」
恒子「あのインハイから!20年前から!」
健夜「10年前だよ!」
恒子「エヘヘー」ニコニコ
健夜「…。もう」ナデナデ
========================エントリーNo.000
小鍛治健夜(つくばフリージングチキンズ)
チームコンセプト:
えっ…チームじゃないけど…。
えっと、皆さん頑張ってください。
=======================================
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清澄高校
咲「3対3のチーム戦ですか?」
久「そうみたいね」ヒラヒラ
まこ「ふぅん。なんやら面白そうじゃけど…」
和「こういうのに真っ先に飛びつくのは…」
優希「部長だじぇ…」
久「ま、ねえ…結構自由度高そうだし」
久「男女別でも無さそうなのよねえ」
まこ咲和優希「「「「えっ!?」」」」バッ
京太郎「え?オレも出れるんですか!?」バッ
久「誰か2人を誘うか…」
久「誰かが誘ってくれれば、だけどねえ」
京太郎「オレの、オレの出番がようやく!」
京太郎「さあさあ、誘ってくれ!オレを!誘ってくれええ!」
皆「「「「「…」」」」」
京太郎「…ですよねえ」
京太郎「くそっ!学校別じゃなくていいなら!」
京太郎「他の学校に頼ってやる!」ダッ
バターン
優希「あ、待つじぇ…」
ウワットトスイマセーン
まこ「あーあ。いってしもうたの」
久「誰か誘ってあげれば良いのに…」
咲「わたしが一緒に出ても良かったんだけどな」
和「SOA」
久「咲は特別招待選手なんだから、ちゃんと勝ちに行かなきゃダメよ?」
咲「うーん。そうなんですかねえ…」
優希「ま、まあ売れ残ってたらわたしが誘ってあげても良いけどな!」
まこ「で、どうするんじゃ?清澄で1チーム作るんか?」
和「咲さん!わたしと一緒にチームを組みませんか?」
久「いいんじゃない?清澄の1年生トリオで出場ってのも」
咲「ん。ちょっと考えてからで良い?」
和「」
久「あらら、ふられちゃった」
咲「そ、そうじゃなくてね!わたしこの間の大会に出て色々考えたんだ」
咲「もっと広くもっと大きく世界を見なきゃって」
咲「和ちゃんとは、これから2年間ずっと一緒にいるんだから」
咲「他の学校の人たちと一緒に打つのもいいのかなって」
和「2年間ずっと一緒?」
咲「そうだよ!これからもよろしくね!」ニコニコ
和「ウ、ウフフフ!そ、そうですね!2年間ずうっっっっと!一緒ですもんね!」
和「こういう時くらいは、離れてもいいかもしれませんね!」
咲「う、うん。アハハハ…」
久「あしらい方も上手くなったもんねえ」
まこ「ま、誰かさんの指導のおかげかのう」アハハ
まこ「で、あんさんはどうすんじゃ?」
久「わたし?わたしはもう…」
バタン
?「邪魔するぞ」
?「お邪魔します…」
優希「あー!」
まこ「あんたたちは…」
久「チーム決まってるから」
ゆみ「おい、久。あの奇声を発して走り去った男子生徒は麻雀部か?」
美穂子「あの勢いで走っては、ちょっと危ないかもしれませんね…」
咲「鶴賀の加治木さんに…」
和「風越女子の福路美穂子さん…!」
久「ま、3人って言ったら…。こうなっちゃうんじゃない?」ニヤ
========================エントリーNo.001
竹井久(清澄高校3年/チームリーダー)
福路美穂子(風越女子高校3年)
加治木ゆみ(鶴賀学園高等部3年)
チームコンセプト:
生意気な下級生に最上級生の強さを見せてあげるわ!
=======================================
カン!
その2へ続く!
【咲-Saki- 3on3SS】Index
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