良子「あらあらうふふ」 霞「真似するのやめて!」の続きです。


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六女仙の離れ客間

優希「むにゃむにゃ…。わさわさ…」
明星「片岡さん、片岡さん」ユサユサ
優希「んー。るさいじぇ…」ハライノケー ポヨン
明星「そろそろおきてください」
優希「のどちゃん没キャラとかじゃあ…」zzz
明星「わたしは原村さんじゃありませんよ」ユサユサ
湧「フフフ。起きないのならやっちゃいますぞ」

明星「本当にいいのかな?」
湧「原村さんは良いって言ってたしー」
湧「良いんじゃないでしょーか!?」ニヨニヨ
明星「うーん…」
湧「大丈夫だって!霞さんも良くやってるみたいだし!」
湧「初美ちゃんに」
明星「…らしいけどね…」
湧「フッフッフ。思いっきりダイブしてやる…」
明星「やりすぎないでね?」
湧「わたしは加減を知らないぜ!」ダダダ

湧「とりゃー!」ダーイブ


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六女仙の離れ大広間

トリャー! ジェエエエエエ!?

和「おひたひたいへふね」モゴモゴ
巴「みたいだねー」
和「朝食おいひいでふ」ニッコリ
巴「それは良かった」ニコ

和「でも…」コト
巴「んー?」
和「この度は本当にありがとうございます」ペッコリン
巴「わわ、いいよいいよー。そんなの…」
霞「気にしなくていいのよ」
和「マホは…」

良子「デンジャラスですね」キラン
和「…はい」
良子「バット、モストインポータントつまり重要なのは…」
巴「めんどくさい!もうそれやめたら?」
良子「プロなりの配慮」
巴「大体身内なんだし…」
良子「バット…。ハラヴィレッジさんが」
巴「かなりわざとでしょ」
良子「まあね」
和「???」

良子「重要なのはあなたがマホちゃんに思うことと」
良子「マホちゃんがやりたいことと」
良子「認識に齟齬があることじゃない?」
和「…!」
良子「多分、あなたが、一番見えてないのかもしれない」
和「…戒能プロ」
良子「ん?」
和「普通に喋れるのですね」
良子「…そっち?」

霞巴「「「wwwww」」」

良子「プロにはプロのやり方があってね」
良子「正直…。自分を見せるのが怖いってのもあるけど…」
良子「まあ見られてる時には、見せる自分を作ってるんだなあ」
和「そうなのですか」
良子「そうしない特殊な人もたまにいるけどね」
和「…とても、効率が悪い気がしますけど」
良子「それがそうでもないんだな」
和「わたしには分かりません…」
巴「大丈夫。皆分からないから」

良子「わたしは、普段の癖を強調してるだけなんだけどね」
霞「正装みたいなものかしらね?」
良子「まさに。装束のようなもの」
良子「スーツを着て、この喋り方をするわたしに…」
良子「切り替えってフィーリングかな?」
良子「君だって」
和「はい?」
良子「切り替わってるでしょ?」
和「…どうなのでしょう」
良子「自覚が無い内は…。危険なんだよね」ボソ

良子(もしくは…。本当にこの子は…)
良子(ノーウェイ…。と思いたいのか、な。わたしは…)

巴「原村さんが今考えていることって」
和「はい」
巴「多分、他人が答えを出しちゃいけないことだと思うんだ」
和「…。うちの竹井もそのようなことを言っていました」
巴「久ちゃんなら、うん。わかってるだろうね…」

霞「わたし達にできるのは協力することだけ」
霞「そこから先はあなた次第ってところかしら」
和「はい…」
良子「ま、1つだけ言えるとしたら…」
良子「さっき言ったこと」
和「…?」
良子「あなたが見えていることと」
良子「見ようとしていることにずれが無いか」

良子「あなたは…。麻雀を通して、何をみてる…?」


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新幹線内

和「モゴモゴ」

優希(のどちゃんが岡山名物吉備田楽を頬張ってるじぇ…)
優希(巴おねーさんに聞いたけど)
優希(花田先輩とマホは岩手に向かったらしいじぇ…)
優希(上手くのどちゃんを誘導しないと…)

優希(あ、部長にも定時連絡しないと…)
優希(鹿児島から岩手って…)
優希(普通飛行機とか…つか…)
優希(いやいや、流石に部費をそんなに使えないし…)
優希(そもそもこういうのはのどちゃんが得意なんだじぇ…)

和「あ、ゆーきゆーき!写真とってください!」
優希「はいはい」ホオリコミー
和「モゴモーゴ」


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白糸台高校

誠子「じゃ、失礼しましたー」

ガラガラ

誠子「ひゃあ、面倒なものなんだなあ…」
誠子「駐車場の利用申請に…」
誠子「他校生徒の施設利用申請に…」
誠子「部活動報告申請に…」
誠子「弘世先輩はこんなこともやってたのか…」
誠子「来年もしわたしが部長になったら…」

誠子「…。いいや、尭深に押し付けよう」
誠子「うん。そうしよう」

ガラガラ

誠子「ごめーん。なんか結構面倒な手続きがあって…」
誠子「ただ部室に入るだけなのにこんな…」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

穏乃智美「「…」」

誠子「ん?どうしたの?」
誠子「なにこれ?おかし?」

穏乃「テーブルの上に置いてあったんです…」
智美「ワハハ。かるかんって鹿児島の銘菓だなー」
誠子「へえ。誰から誰にだろ?」
誠子「あ、宮永先輩宛か…」
穏乃「義妹より、って書いてありますよ」
智美「サッキーじゃないんだよな多分」
穏乃「どうなんでしょう」
智美「なあ、またのん。それよりここを見ろ」
誠子「どれですか?あ、賞味期限?」

誠子「今日まで…!」

穏乃「かるかんって大体7日間くらいなんですよ」
智美「ワハハ。流石和菓子屋」
穏乃「でも、最近暑いですからね…」
穏乃「常温保存可能とはいえ…」
智美「しばらく置きっぱなしだったんだろ?」
誠子「そ、そうか…。ってことは」

穏乃誠子智美「「「早く食べないと悪くなるっ…!!!」」」

ズッギャアアアァァァァン!

誠子「いやっ…。駄目っ…。それは駄目っ…!」
穏乃「…じゃあ、どうします?」
誠子「宮永先輩に連絡して、届けよう」
智美「間に合うかー?」
誠子「わからないですけど…」
穏乃「近くにいれば良いですけど…」
穏乃「もし、そうじゃなかったら…」

誠子「くっ…。一体どうすれば…」

穏乃「和菓子屋からすれば…」
穏乃「悪くなる前に食べて欲しい」ボソ
誠子「なっ…!?」
穏乃「おいしいうちに!食べて欲しい!」
穏乃「だっておいしく食べてもらうために作ったんだから!」
誠子「し、しかし…」

智美「またのん。これがお魚だったらどうする?」
誠子「…えっ…」
智美「またのんがお魚を釣ってな?」
智美「おいしく食べてもらうために、人にあげて、だ」
智美「だけどその人に届かなくて傷んじゃったら…」
智美「…どう、おもう?」

誠子「…それは、悲しいな」
誠子「生命に対しても不誠実だ!」

智美「おなじ、じゃあないか?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

穏乃「おなじ、ですよね?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

穏乃智美「「たべちゃおう?」」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

誠子(くっ…。なんだこの重圧は…!)

穏乃智美「「ね?たべちゃおう?」」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

誠子(どうする…?亦野誠子!)


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辻垣内邸

照「おいひぃ」モグモグ
憩「たまにはこういうのもええなあ」モグモグ
智葉「ただの芋ようかんで悪いけどな」モグモグ

照「そういえば…」モグモグ
智葉「ん?」
照「かるかんのかんとようかんのかんは同じらしい…」モグモグ
憩「え?何言うてんの?」
照「漢字がさ」
智葉「ああ。へえ、そうなのか」
憩「かん?ってどういう字?なんや突みたいなんやったっけ」
照「ええと、こう」スッスッ
憩「さっぱり分かれへんwww」
照「だからー、こう…」スッスッ
憩「動きが大きなってもよう分からんわwww」
智葉「ムフ…」

照「むぅ…。ええと、ひつじ!」
憩「ん?」
照「の、下が出ないバージョン!」
憩「なになに?」
照「書いて書いて」
憩「ええと?なんやったっけ?」
照「ひつじの下が出ないバージョン!」
憩「ええと…。こう?」
照「グッド」
憩「戒能プロみたいになっとるwww」
智葉「ムフフッ…」

照「で、四ツ点!」
憩「え?四ツ点?って何?」
照「えー…?ほら、黒の下の点々」
憩「クロ?松実玄ちゃん?」
照「違う!色の!」
憩「ああ…。ええと…」
照「あ!テル!」ジブンユビサシー
憩「え?ああ、うん。知っとるけど?」
照「違うの!テル!ほらテルテル!」
智葉「自分でテルテル言うなよ」
憩「ムフッ」

照「ちーがーうー!照の下の点!」
憩「ああ、点って漢字の下の?」
照「そっち!?それもそうだけど!?」
憩「うわ、めっちゃ切れとるやん…」

照「でー…。美しい」
憩「誰が?」
照「だーかーらーさー」
憩「嘘や嘘や。ええと、この下に美しいっと」
憩「え?こんなん?」
照「そう。あつものとも読むよ」
智葉「ああ、羹に懲りて膾を吹く、か」
照「それ、まさにそれ」
憩「へええ。照やん漢字にも強いんか」
照「まあね」ムフー
憩「ガイトちゃんも難しい言葉知っとるなあ」
智葉「単なる諺だけどな」

智葉「わたしは、嫌いな諺だな」
憩「ん?」
智葉「膾を吹いてる奴を馬鹿にしてるだろ?」
照「ああ、そういうこと」
智葉「そいつが羹でどんだけ痛い目を見たか知らないのにな」
憩「え?なになに?どういうこと?」

照智葉「「…」」ハァ

憩「え?めちゃくちゃため息つかれた!?」
智葉「いや、いいんだ」
照「憩はそのままで、いいんだよ」ジアイノメ
憩「ええー!?」
智葉「話は変わるが」
憩「え?嘘やん?放置?」
照「なになに?」
憩「そんな食いつく?」

智葉「原村って…。多少は常識あるんだろ?」
照「ない!」
智葉「いやいや、お前さんの印象は良いんだよ」
照「ないもん!」
智葉「あった方がお前さんにとっても、メリットはあると思うんだが…」
照「…どういうこと?」

智葉「いや、な。もし、だぞ?」
智葉「旅行に行ってたら、お土産とか送るんじゃないか?」
照「…!!」
智葉「原村はお前の家の住所は知ってるのか?」
照「多分知らない」
智葉「とするとだ。もしかしたら…」
憩「高校宛に送ってきとるかもってこと?」
智葉「そういうこと」
照「…!!!」

照「原村和には…」
照「常識は、ある!はず!」
智葉「手のひら返したなあ」
照「よし、行ってみよう!」
憩「今からー?」
照「善は急げ!」トテテ

憩「おっしゃ行こかー?」トテテ
智葉「自分で炊きつけといてなんだが…」
智葉「…本当に行くのかよ?」ハァ


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宮守女子高校

塞「こっちが部室だよー」トテトテ
煌「ははぁ、さほど変わりませんねえ」
塞「ん?なんだなんだ?とんでもない田舎だと思ったかー?」
煌「いえいえ、そんなことは」
塞「まあ、東京とか見慣れちゃうとねえ…」
マホ「マホはこういう感じ好きですよ!」

塞「フフ。それは良かった」
塞「あ、さっきも言ったけど…」
煌「はい」
塞「なんか今とんでもない面子が集まってるから」
塞「それなりに覚悟しておくよーに!」

煌マホ「「はい!」」

塞「フフ。よろしい。ではではこちらが部室でーす」

ガチャ

塞「連れてきたよー」

煌「こんにち…うわあ…」
煌「これは…。なんというか…」
煌「多国籍な…」

宥「わわっお客さんだよー?」ガバ
塞「一応宥ちゃんもお客さんだからね?」

煌「阿知賀の松実宥さん…」
マホ「わあ!炬燵です!」

小蒔「zzz」
塞「ほら!小蒔ちゃんも起きて起きて!」
小蒔「…浮き輪ですか…?」
塞「何を言っているんだこの子は…」

煌「永水の神代小蒔さん…」

友香「オウ!そのプリティーな制服は確か新道寺!」
友香「インパクトがあって覚えてるでーす!」

煌「劔谷の森垣友香さん…」

由子「あらー?花田ちゃんや~?」
由子「一体全体どうしたのよ~?」

煌「姫松の真瀬由子さん…」

煌「そして…」

明華「あらら?可愛い!どうしました?」ナデナデ
慧宇「ネリーと同じくらいちっちゃいね?」ナデナデ
マホ「あわわわ、花田先輩ー」ナデクリマワサレー

煌「臨海女子の…」
煌「ハオさんに、ミョンファさん…!」

白望「ダル…いけど、お茶でもだすかー」ヨッコイショ
エイスリン「シロエライ!」
白望「ダル…」ポリポリ

煌「宮守女子の小瀬川白望さん…」
煌「エイスリン・ウィッシュアートさん…」

塞「なーんかとんでもないことになってるでしょー?」

煌「臼沢塞さん…」

塞「この9人がお相手を…」

?「わたしも忘れないでおくれよ?」
塞「あ、先生!来てくれたんですか?」
トシ「ちょっと、訳ありでねえ…」
トシ「よく来たね、わたしは…」

煌「存じ上げてます」
煌「熊倉トシさん…」

トシ「あら、光栄だね」
トシ「…。あの子かい?」キラン

マホ「あわわー」
明華「おいくつなの?」ナデナデ
慧宇「小学生?」ナデナデ

煌「はい…。それと…」
トシ「あと2人、来るんだっけ?」
煌「ええ、おそらく、ですが」
トシ「青春だねえ」
塞「先生、何か聞いてるんですか?」
トシ「ちょっとね」

塞「ふぅん。ま!いいや!」
トシ「フフ。アンタのそういうところ良いと思うよ」
塞「あ、そうですかー?」アハハ
塞「と、言うわけで改めて!」

塞「この10人がお相手するよ!」

煌「はい!お願いします!」
マホ「お、おねがいしますー」ナデクリマワサレー


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白糸台高校

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

穏乃智美「「ね?ね?たべよ?」」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

穏乃智美「「たべちゃおうよー?」」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

誠子(一体どうすれば…?)
誠子(どうすればいいんだ…っ!!!)


カン!

その8へ続く!

【咲-Saki- 夢乃全国行脚SS】Index