IH準決勝Aブロック終了後の夜ーーーーー

ーーーーー阿知賀サイド
ホテル晴絵と灼の部屋


玄「…うう。やっぱりドラこないよう」
晴絵「ありゃ。もうこんな時間か。仕方ない。今日は一旦お開きにしよう」
玄「…はい」
晴絵「そんな顔するなよ。大丈夫。早ければ明日の午前中には復活するさ」タクカタツケトイテ
宥「くろちゃん、わたしも協力するから」ジドウタクカタツケ…フルフル
穏乃「そうですよ!玄さん。私達も協力します!」ユウサンワタシヤリマス
憧「あ…」
穏乃「ん?どしたの憧」ジドウタクカタツケ
憧「あ、あのさあ晴絵?」
晴絵「んー?」メモメモ
憧「明日、東京見物したいな~なんて、思ってたんだけど…考えてみりゃそんな暇ないか」
玄「ごめんねえ」ウルウル
憧「ちがっ、そういう意味じゃなくて」

晴絵「んー。ま、ちょっとくらいなら良いけどさ」メモメモ
憧「うえ?いいの?」
晴絵「明日のBブロック準決勝。その結果によって、対策が変わるしなあ」メモメモ
穏乃「え、もしかして大会前に教わったやつだけじゃ…」
晴絵「もちろん」メモメモ
晴絵「今日の白糸台への対策は、ほぼ奇襲。なんとか成功したけど当然あちらも決勝までには調整してくるはず」メモメモ
晴絵「と、なれば。ね」メモメモ
玄「そういえば…」アレコレドウヤルノ
灼「玄、どうしたの?」ソッチノボタンオシテマズアシヲタタム
玄「私だけ白糸台対策何も聞いてなかった…」アーコウカ
穏乃「えー、そうだったんですか?」コッチモチマス
晴絵「相手がチャンピオンだったしなあ。ま、それについても説明するよ。」メモメモ
憧「ねー、なんで個別指導だったの?」コレモウノマナイナラレイゾウコイレチャウヨ
晴絵「それも明日~」メモメモ
憧「もー、なんでそこだけ秘密主義なのよお」


晴絵(組み合わせが決まったら、伝えるよ。お前たちが優勝するための、最後の秘策をね)


灼「はるちゃん、さっきからなに書いてるの?」
晴絵「ん?牌譜だよ。もしかしたら局数以外にもドラ復活の鍵になることがあるかもしれないしね」メモメモ
穏乃「…。え、もしかしたら赤土さん、これまでの全部…?」ジドウタクカタツケオワリー
晴絵「とーぜん」メモモオワリー
憧「晴絵って…」
晴絵「んー?」
憧「なんか、先生みたい」
晴絵「………。先生だぞ?」
憧「いや、違くて。なんか、なんて言えばいいんだろう」
宥「あったか~い。ってこと?」
玄「お姉ちゃん…」
憧「…。でもそう、あったか~いってこと!」
穏乃「なんだそれー」
憧「うっさい」
晴絵「あったか~い、か。ふふ。いいねそれ。さて、と」ケータイトリダシー

灼「はるちゃん出かけるの?」
晴絵「んー、ちょっとね。ん?なんだこりゃ…?またあの人は…」ハヤリンアンゴウ
憧「えー、なにそれずっこい」
晴絵「大人の付き合いってやつさ」ナントナクワカッタ
晴絵「お前たちもご飯食べて、後は自由にしてていいぞ。で、灼」
灼「ん。分かった。メールする」
穏乃「え?何がわかったんですか?」
灼「外食するなら、どこに行くのかとその場所。そして、終わったら全員ホテルについた時点でメールする」
穏乃「おーそういうことか!」
憧「流石愛弟子ぃ。通じあってるのねえ」
灼「そんなことな…」
晴絵「ふふ。そういうこと。頼んだぞ部長」アタマポンポン
灼「…ん///」
晴絵「他の4人はどこか抜けてるからなあ」ケラケラ
穏乃「えーひどいー」ブーブー
玄「そんなことないよねえ」ブーブー
宥「えーっと…」アッタカクナイ
憧「えっ?アタシも?」ブーブー
晴絵「あははは。分かった分かった。玄。明日は午前中から、儀式再開な?」
玄「あ、はい!お願いします!」
晴絵「じゃ、行ってくるよ。小鍛治プロに会いに」
灼「え…」
ドアバタン

穏乃「そっか。小鍛治プロに会いに行ったんだ…」
憧「ずっこいとか言っちゃた…」
灼「…。」
宥「灼ちゃん…?」
灼「ちょっとお手洗い…」
玄「灼ちゃん…」

穏乃「あ!」

憧「びっっくりしたあ。もー、なによ」
穏乃「千里山…」
憧「え?」
穏乃「先峰の人…。大丈夫だったかな?」
玄「園城寺さん…」
穏乃「だから、もし、あれ、だったらさ。千里山の人とご飯とか…あり、かなと思って…」
宥「連絡先…。赤土さんに聞いておけばよかったね…」
憧「んー。聞いてみよっか?」
穏乃「え?赤土先生行っちゃたよ?」
憧「いや、セーラに」
玄「セーラって、江口さん?千里山の中堅の?」
憧「そーでーす。試合の後無理やり連絡先交換させられちゃってさあ。早速連絡しちゃおうか」
灼「…」
穏乃「あ、灼さん、今…」


灼「はるちゃんの後をつけよう」
穏乃憧玄宥「「「「えー!?」」」」


灼「二回戦終了後」
灼「私達は外出先ではるちゃんから隠れた」
玄「鶴賀の東横さんにあった時だね?」
灼「そう、前は逃げる形。しかし、今回は追う形」
灼「つまりはさみ撃ちの形に…」
玄「ならないよ!?」
宥「と、とにかくご飯食べに行こ?」
灼「良い意見。そして偶然にもはるちゃんの向かう方向に良いラーメン屋があるとかないとか…」
憧「と、とにかく行きましょ?」
穏乃「せ、千里山は…?」
憧「しょうが無い移動しながら連絡してみるわよ!」

ーーーーー

ーーーーー永水サイド
ホテル物置部屋

初美「んー?もー。どこにあるですかー?」ガサゴソ
春「この部屋荷物置きに使ってるんだ…」ポリポリ
初美「本当は姫様の一人部屋だったんですけどねー」ガサゴソ
初美「3部屋用意して、私と霞ちゃん。はるると巴ちゃん。そして姫様」ガサゴソ
初美「でも結局、夜寂しいからって、毎晩どちらかの部屋で寝てますからねー」ガサゴソ
初美「巴ちゃんが探せば良いのにー」ガサゴソ
春「買い出しに行ったから仕方ない」ポリポリ
初美「私もお出かけしたかったですよー」ガサゴソ

初美「って。はるる何もしてないじゃないですか!」ガビーン
初美「何なんでしょうか。この子は!」
春「だって、知らない」
初美「え?」
春「何を探してるか知らないし」ポリポリ
初美「あれ、そうでしたっけ?」
春「うん」ポリポリ
初美「あははー。えーっと、姫様用の石鹸を探してるのですよー」
春「え、もう使い切ったんだ」
初美「姫様綺麗好きですしねえ。んもー!ないですよー。はるるも探してください」
春「分かった」

初美「はるるー?そっちにはありましたかー?」ガサゴソ
春「私も知らない呪具がいっぱいある…」ポリポリ
初美「んもー!霞ちゃんは片付けが出来なさ過ぎです!」
初美「私もお祓い担当じゃないから、よくわからないですよー」ガサゴソ

春(なんだろこれ?)ヒョイ
春(壺…?突…変…丸?掠れてて読めない…)シゲシゲ

初美「そういえばー」ガサゴソ
春「なに?」
初美「海水浴楽しみですねー」ガサゴソ
春「うん」
初美「姫様も新しい友だちができて、とってもとっても嬉しそうだったですよー」ガサゴソ
春「確かに、すごく笑ってた」
初美「姫様にはもっともっと、笑ってて欲しいですねー」ガサゴソ
春「うん」
初美「はるるー?」
春「なに?」
初美「来年はよろしくですよー」
春「…うん」
初美「私も、霞ちゃんも、巴ちゃんも。大会には出られないですからねー」
春「…。分かった」
初美「…お願いするですよー」
春「清澄とも…」
初美「んー?」ガサゴソ
春「海…。行きたいな…」
初美「んんんー?あー清澄の部長さんですかー?」オヤコレハ
春「え?いや///」アセアセ
初美「竹井さん、でしたっけ?なんか仲良くなったですかー?」ココニアリソウ
春「だから…///」ツボブンブン
初美「うふふ。お姉さんはお見通しですよー?あ、ありましたよー」
春「そうじゃな」ツルッガチャン

春「あっ…やべ…」
初美「はるるどうしたのですよー」

春「割っちゃった…」モクモクモク
初美「うわわ、なんですかこれ?煙?粉?真っ白けですよー?」モクモクモクモク
春「どうしよ」モクモクモクモク
初美「窓、とにかく、窓をあけましょー」モクモクモクモクモクモク
春「…。なにこれ、あけ方がわからない」モクモクモクモクモクモクモクモクモク
初美「えー?そんな訳…。なにこれ」モクモクモクモクモクモクモクモクモク
春「あ、このハンドルを回すみたい」クルクルクル
初美「あおいであおいで換気換気!」リョウテフリフリ
春「」コクトウポリポリ
初美「ポリポリじゃなくてー!」
春「それが自慢」ニッコリ
初美「意味わかんないですよー!」

フリフリ ポリポリ ブワー モクモクモク
……………。
……………………。

ーーーーー
霞と初美の部屋

霞「…」
初美「と、こんな訳ですよー」
初美「一時はどうなることかと思いましたがー」

霞「…」
春「…」
初美「…霞ちゃん。怒ってますかー?」
初美「あんまりはるるを怒らないであげて欲しいですよー」

霞「…」
春「…」
初美「うう…」

霞「…春ちゃん」
春「」ビクッ
霞「気をつけなきゃダメよ」
春「ごめんなさい」ジワ
初美「霞ちゃん…」
霞「怪我はなかった?」
春「…大丈夫」
霞「そう。それは良かったわ。怪我なんかしたら大変だもの」ニコ
初美「!」パァァ
春「…」ダキツキッ
霞「あらあら。甘えんぼさんね」ナデナデ
春「ごめんなさい」ギュー
初美(ちょっと羨ましいですよー…)
霞「ふふふ。で、割ったのはどれだったのかしら?」ナデナデ
初美「これですよー」ハヘントリダシ

霞「ああ、突変化粒丸ね」
初美「とつへんげ…りゅうがん?ですか?」
霞「そう、突変化粒丸。詳しくはこの本に書いてあるわ」フトコロカラトリダシー

======突変化粒丸(とつへんげりゅうがん)。
この丸薬を一粒飲むと、飲んだ人物の特徴が強調された形で幾人かに分裂する。
このSSの場合、咲-Saki-の各メディアミックス、二次創作において
強調され特徴付けられたそれぞれのキャラクターが
同一世界上に複数存在する事となってしまう。
効果は48時間後に消えるが、強制的にその効果を消したい場合
分裂した人物と、その元となった人物
そして、その人物が最も好きな人物、もしくは物体
この3つが同時に接触する必要がある。
またドイツ語のドッペルゲンガーは
もちろんこの「とつへんげりゅうがん」が変化したものである。

『とつへんげりゅうがん→とっへんげりゅが→ドッペンゲルガー→ドッペルゲンガー』
(永水書房刊)より======

春「」ポリポリポリポリ
初美「え、えー?」
霞「なんでこんなもの持ってきてたのかしら?」ハテ
初美「…。ちょっとお手洗い行ってくるですよー」
春「謎」
霞「でも、まあ飲まなかったら良いんだしね。で、丸薬は片付けた?」
春「丸薬なんて入ってなかった」
霞「え?」
春「粉?になってて、部屋に充満しそうになったから、換気した…」
霞「…え?」
春「大丈夫かな」
霞「…。だ、大丈夫よお」ダラダラ
春「すごい汗」
霞「ふふ。…。ウフフフ」ダラダラダラダラ
春「霞さん、怖い…」


?「ばばあの匂いがするですよー?」


霞「!」ピク
春「え?はっちゃん?」

初美(SS)「初美お姉ちゃんと呼ぶですよ、はるるー。そしてばばあが近くにいるですよー?」

霞「…」ピクピク
春「はっちゃんの頭の上に文字が浮いてる?SS?」
霞「あ、あれがどこの世界から来たのか表す文字なの。あれはSSって世界のはっちゃん。みたい。ね」ピクピク

初美(本編)「ただいまですー。って、あ、あれ?え?わたしがもう一人いるですよー?ええ?」

春「本編って書いてあるはっちゃんだ」
霞「あれが、本編のはっちゃん。つまり元となるはっちゃんね。きっと」
春「つまり本物?」
霞「そうね」

初美(SS)「あれれー、年増のおっぱいオバケが現れたですよー?」
霞「…」ギリッ!
初美(本編)「あ、あわわわ。そ、そんなこと思ってないですよー!」
霞「お仕置きしなくちゃあ、いけないわねえ…」ズゴゴゴゴゴゴ
春「激おこプンプン丸…」

初美(SS)「トンズラするですよー?若い者の動きにはついてこれないですよー」シュタタ
霞「あらあらお待ちなさいな」ムンズ
初美(本編)「逃さないですよー!」ムンズ
初美(SS)「うわあああああん。捕まったですよー!」パアアアアアア
霞「うふふふふ」ニコニコ
初美(本編)「え?え?なんですかこれえ?」
春「SSはっちゃんが光ってる…!?」

シュウウウウウウウ…
……………。
……………………。

初美「消えた…?」
春「あ、本編って文字も消えた」
霞「あらあら。うふふ。強制消去の条件が満たされたみたいね」
初美「強制消去の条件?」
春「確か、本人と、本人が大好きな人が同時にドッペルゲンガーに触る」
初美「…。え?」
霞「うふふ」ニコニコ
初美「うえええええええ!?///ちょ、ちがいますよ。ちが、ちがうく、ないんですけど!ちがいます!///」
春「意外な展開」ポリポリ
霞「あらあら、まあまあ。はっちゃんはわたしが大好きだったのねえ」
初美「う、ウウウウウ……です」
霞「聞こえないわ?はっちゃん?」
初美「大好きですよー!わたしは霞ちゃんが大好きですー!」ギュー
霞「うふふ。嬉しいわ、はっちゃん」ナデナデ
初美「ううう///」スリスリ
春「眼福」ポリポリ
霞「でも。はっちゃんはもっと修行しないと駄目ねえ」ナデナデ
初美「どういう意味ですかー?」スリスリ
霞「巫女の修行をきちんと積んだ人間には突変化粒丸は効かないはずなの」ナデナデ
初美「わ、わたしは、お祓い担当じゃないですからー」スリスリ
霞「多分、春ちゃんに効果が無いのはそのせい。私や小蒔ちゃん、巴ちゃんも大丈夫なはずよ」ナデナデ
春「良かった」ホッ
初美「霞ちゃんが手伝ってくれるなら、もっと修行するですよー?」スリスリ
霞「あらあら」ナデナデ
春「で、どうしよう。外に広がっちゃった分…」
霞「あ゛…」ナデ…
初美「…。どういうことですかー?」ハナレ
春「斯く斯く然々」

初美「えー?じゃあ、突変化粒丸が広がっちゃったわけですかー?」
霞「48時間待てば効果は切れるけど…。明日も試合があるはずよね?」
春「Bブロックの準決勝」
初美「放っておいたら一大事ですよー」
霞「…。こっちから出向きましょう」キッ
春「…。それしかない」
霞「攻めるのは苦手分野だけど。なんとかしないと」
初美「姫様と巴ちゃんはどうしますかー?」
霞「姫様は今寝てるから、まずは巴ちゃんと合流して、作戦を立てましょう」
春「分かった」
初美「巴ちゃんに連絡するですよー」パタパタ
霞「明日の準決勝、どこの高校だったかしら?」
春「清澄、姫松、臨海、あと北海道の…」
霞「有珠山ね」

霞「長い夜になりそうだわ…」

カン!

その2に続く!

【咲-Saki- ドッペルSS】Index