優希「ムフフフー」スリスリ 久「はいはい、良い子良い子」の続き
もしくは
春「あっ…やべ」 初美「はるるどうしたのですよー?」の続きです。

ーーーーー永水サイド
霞と初美の部屋

霞「この子なんてどーお?」タイカイパンフユビサシー
巴「んー…駄目だね」
霞「あらあら、じゃあこの子は?」
巴「駄目。というかこの学校は全員駄目」
霞「厳しいわねー。じゃあじゃあ」
初美「…。こうやって傍から見てると…」
巴「なあに?」
初美「大会パンフを見て女の子を物色してるように見えます」
巴「バカなこと言わないの、これでも凄い体力つかってるんだから」
初美「分かってますよー」

ガチャ
小蒔「おはよーございますー」ムニュムニュ
霞「あら、起きたの?小蒔ちゃん」ニコ
小蒔「ねてないですよー。おきてますよー」ムニュムニュ
初美「まだ完全には起きてないみたいですねー」
小蒔「うきわですよー?」コテン ボヨンボヨン
巴「あらら、またベッドに横になっちゃって…」
初美「姫様まだ浮き輪してたですか」
霞「気にいっちゃったみたいね」ニコニコ
巴「姫様は寝かせておきましょう」
小蒔「zzz…」

霞「でも本当なの?巴ちゃん」
巴「うん。突変化粒丸の効果を消す3つ目の方法は…」
巴「耐性のある人物が2人以上で、分裂した人物を触ること」
初美「霞ちゃんも知らなかったですかー?」
霞「ええ。さっき巴ちゃんに言われて始めて知ったわ」

巴「そう。それに突変化粒丸の効果が出ないことと耐性があることは別なの」
初美「どういうことですかー?」
巴「突変化粒丸の効果無い人物には3パターンあるのね」
巴「1つは、修行で抑えこむパターン」
霞「私達みたいなものよね」
巴「うん。そして2つ目は、他の世界線に存在しない人物」
初美「…?よくわからないです」
巴「突変化粒丸の説明をもう一回見てみて?」

======突変化粒丸(とつへんげりゅうがん)。
この丸薬を一粒飲むと、飲んだ人物の特徴が強調された形で幾人かに分裂する。
このSSの場合、咲-Saki-の各メディアミックス、二次創作において
強調され特徴付けられたそれぞれのキャラクターが
同一世界上に複数存在する事となってしまう。
効果は48時間後に消えるが、強制的にその効果を消したい場合
分裂した人物と、その元となった人物
そして、その人物が最も好きな人物、もしくは物体
この3つが同時に接触する必要がある。
またドイツ語のドッペルゲンガーは
もちろんこの「とつへんげりゅうがん」が変化したものである。

『とつへんげりゅうがん→とっへんげりゅが→ドッペンゲルガー→ドッペルゲンガー』
(永水書房刊)より======

巴「分裂する、って表現されているけど…」
巴「言い換えれば、私達がいる世界線に他の世界線の人物がコピーされちゃうってことなのね」
巴「コピーだから、あちら側からいなくなるわけではないの」
春「あ、じゃあさっきのSSはっちゃんがいても」
霞「SSって世界からはっちゃんが消える訳じゃないってことね」
巴「そう。だからコピー元がなければ…」
初美「こちらの世界上に分裂した人物が現れることもない、ってことですかー」

小蒔「簡単に言えば、本編にでてないキャラやモブやよくわからないキャラは分裂しない!」ガバア!

巴霞春初美「「「!」」」ビクッ!

小蒔「んですよー…。zzz」コテン ボヨンボヨン

巴「ね、寝言みたいね」
初美「なにかとても大切な事を言った気もしますけどー」
霞「寝言ね、きっと」
初美「んんー?」

巴「それで、最後のパターンが耐性がある人」
初美「2つ目とどう違うんですかー?」
巴「他の世界線に存在するんだけど、私達の世界と完全に同じ人」
初美「んー?これもよくわからないですよー」
巴「例えば、ここではとても良い人が、他の世界線ではとても悪人だったりするわけね」
巴「はっちゃんはかすみんが大好きだけど、SSはっちゃんは悪口を言ってたんでしょ?」
初美「だー!だから!大好きなわけでは…、まあその」ゴニョゴニョ
霞「うふふ」ニコニコ
巴「まあ、おそらく無限に近い世界があるはずだから違うのが当然なんだけど…」
巴「稀に他の世界線でも同じ人がいるのね」
巴「それが耐性のある人」

春「そのパターン2とパターン3を区別する方法はあるの?」
初美「そうそう、傍目じゃわからないじゃないですか?」
霞「巴ちゃんよ」
初美「んん?」
巴「私は見たら分かるのよ」
霞「しかも、直接会わないでも、写真や映像でも良いんですって」
春「え。すごい」
初美「巴ちゃんそんなこともできるんですか?」
巴「いえい」ブイ
巴「でも…。見ようと思わなければ見えないんだ」
春「あ、じゃあ今まで直接会った人たちも…」
巴「そう。ちゃんともう1回見てみないとわからないんだよねえ」
春「だから大会パンフレットを見ていたんだ」
霞「そういうことね」

初美「で、いたんですかー?」
巴「なかなかいないはずなんだけど、何人かいたよ」
初美「へー、誰ですかー?」
巴「今見つけたのは…。この子と…。この子」
春「2人いる…!」
霞「そう。この子達に協力してもらえば、より早く効果を消すことができるはず」
巴「もう何人か、居てくれれば良いんだけど…」
霞「あまり時間をかけていられないし、同時進行させないとならないのかもね」
初美「まずは、明日試合のある4校については、早めに手をつけないと駄目ですよねー?」
巴「そう。だからその4校については最初にみたんだけどね」
巴「清澄にはパターン3が1人もいないのよ…」
初美「ええー?」
巴「でも大将のこの子…。なにかが邪魔してて見えないんだ」
春「見えない?」
巴「うん。なんだろう。今まで見たことない感じ」
巴「で、有珠山は全員パターン2」
霞「良かったわよね。対処しなくて良いから」

小蒔「いまのところな!」ガバア!

巴霞春初美「「「!」」」ビクッ!

小蒔「…。zzz」コテン ボヨンボヨン

巴「また寝言みたいね」
初美「なにかとても不吉な事を言った気もしますけどー」
霞「寝言ね、きっと」
初美「んんー?」

巴「姫松と臨海には分裂しちゃう人もパターン2もいたけど」
巴「パターン3も1人づついたの」
初美「あ、じゃあ、このパターン3のこの人とこの人にも協力してもらえば…」
巴「良いんだけどね。一応聞いては見るけど、明日試合でしょ?」
初美「そっかあ。あまり無理は言えませんものねえ」

春「質問…」
巴「はい、はるる」ビシッ
春「効果が出ちゃう人は無限に分裂し続けるの?」
巴「元になる人物次第ってところね…」
巴「さっき言ったように、他の世界線で性質が異なれば…」
巴「それこそ無限にコピーされちゃうんだけど」
巴「一旦効果を打ち消せば、もう分裂することはないよ」
初美「あ、じゃあわたしはもう大丈夫なんですねー?」
巴「そういうこと」

春「もいっこ。分裂する条件ってあるの?」
巴「えーとね…。誰かと一緒の時は大丈夫なんだけど」
初美「1人になっちゃ駄目ってことですかー?」
巴「うん。あと、寝てる時は分裂しないんだって」
初美「なるほどですよー」

霞「わたしもいいかしら」
巴「はい、かすみん」ビシッ
霞「効果が出ちゃう人を分裂しないようにすることって出来るのかしら?」
巴「実はそこが問題なんだよねえ…」
初美「できないんですかー?」
巴「突変化粒丸自体即効性があるから…今日中になんとかできればなあって」
春「不安…」
巴「方法がないことも無いんだけど…。それは最終手段ってことで」

巴「まずは連絡先がわかっている清澄へ連絡しましょ」
霞「じゃあ、春ちゃんお願いね」
春「ん、分かった。電話してくる」トテテ
初美「はるる嬉しそうですねえ」
霞「春ちゃんが自分から他人に好意を向けるなんてねえ」ウフフ

初美「でも、巴ちゃんはやっぱりこういう時頼りになるですよー」
霞「ほんとうねえ」
巴「エヘヘ。わたしはこっちが本職ですからね」エヘン
巴「麻雀では力になれなかったけど…」ショボン
巴「こんな時には任せてちょうだい」キリッ
霞「頼りにしてるわ」

巴「うん!えっと、清澄はどうにかなるとして…」
巴「有珠山はおいておいて、他の2校については連絡先も分からないんだもんね」
霞「大会関係者に聞くのが一番早そうだけど…」
初美「あまりおおっぴらにはできないですからねー」
霞「そうねえ、できるなら内々に対処したいところだけど」

巴「…。熊倉さんと、戒能さんを頼りましょう」
初美「宮守の監督さんと?」
霞「良子さん…?」
巴「ええ。しょうが無いでしょ?もう」
霞「熊倉さんは、まだ良いとして…」
初美「良子さん、は、ちょっと避けたい所ですよー」
巴「はぁ。分かった。まず熊倉さんに相談して、他校の連絡先を教えてもらう」
巴「連絡先が分かったら、そっち優先で対処して…」
巴「熊倉さんから、今日のAブロックの4校。こちらの連絡先も入手できれば」
巴「戒能さんには連絡しないでおきましょ」
霞「そうね!それならいいわね!」
初美「熊倉さんお願いしますですよー?」
巴「もう…。どれだけ苦手なのよ」
霞「だってえ、ねえ」
初美「おっかないですよー」
巴「分かるけどね…」

巴「で、具体的な作戦だけどね…」

小蒔「お泊り会をしましょう!」

霞「あら、小蒔ちゃん起きてたの?」
小蒔「はい!皆で一緒にいれば、分裂は抑えられますし」
巴「ふうむ…」
霞「決勝に勝ち進んだ2校と、Bブロック4校は難しいんじゃない?」
小蒔「もちろん、全員じゃなくても構いません」
小蒔「とにかく一箇所にある程度集まってくれれば、個別にも対応しやすいです!」
初美「…。どうですかー?」
小蒔「…」ドキドキ

巴「…。いえ、それいいかもです」
小蒔「!」パァァァァ

霞初美「「ええー?」」

巴「まず宮守の皆さんに協力をお願いしましょう」
巴「そうすれば熊倉さんから連絡先を聞き出しやすいし」
巴「確かになんとかある程度でも一箇所に集められれば…」
巴「それに…」チラ

小蒔「わーい、お泊り会、お泊り会」ピョンピョン

巴「あの姫様にダメだって言える?」
霞「…。言えないわ」フルフル
初美「ってことは…」

巴「今夜大お泊り会を決行します!」ババーン

小蒔「わーい!」キャッキャ

霞初美「「…」」クスッ

巴「姫様をお泊り会実行委員長に任命します!」ビシッ
小蒔「はい!大任ですが全力であたらせてもらいます!」フンス
巴「まずは宮守女子への連絡をお願いします!」
小蒔「はい!姉帯さんに連絡してみます!」トテテ

初美「…。巴ちゃん勢いでごまかそうとしてませんかー?」
巴「こうなったらなるようになれ、よ」
霞「まあ、ここで悩んでても仕方ないのは事実だしね…」
初美「あ、はるる電話終わったですかー?」
春「終わった」ポリポリ
霞「どうだった?ちゃんと説明できた?」
春「…」
巴「はるる?」
春「完璧…。だけど、ちょっと上手くつたわらなかったかも」
霞「春ちゃん?」
春「とりあえず、久と合流する方向で…」

巴「…。まあ、よしとしましょう!」
霞「そうね!なんとかなるしね!」
初美「じゃあ、清澄と合流しましょー!」
春「…。さっきと雰囲気が違う…」

巴「はるる。勢いって大事だよ!」
春「…。困ったお姉ちゃん達だ…」クス

カン!

その8へ続く!

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