怜「ところで、らんらんや?」 藍子「はいはい?」の続きです。

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長野駅

咲「わぁ、すごい!迷わず着いたよー」
一「えっと…。まあ、うん」
咲「えーと、それで、どっちに行けば良いんでしょう?」
一「ん?えっと、新幹線乗り場は…。こっちかな」
咲「おー。あっさりと…」
一「いや、だって…。書いてあるし…」
咲「じゃあ、行きましょ」グイグイ
一「待った待った」
咲「はい?」

一「えーとね」
咲「はい」
一「言いたいことが3つあるんだ」
咲「ほう。3つも」
一「うん」
咲「じゃあ、行きましょ」グイグイ
一「待った待った」
咲「はい?」
一「まずは聞きなさい」
咲「はい」

一「えっと。1個目」
咲「はい」
一「マイペース過ぎる!」
咲「えっ、わたしがですか?」
一「他に誰がいるのさ」
咲「…。りゅーもんさんとか?」
一「まあ…。透華も…。まあ、そうか」
咲「じゃあ、行きましょ」グイグイ
一「それそれ」
咲「えー」

一「2個目ね?」
咲「はい」
一「なんでボクなの?」
咲「はじめさんだからですよ?」
一「うん?」
咲「はい」
一「えっと、意味がよく分からないんだけど」
咲「おいおい話しますよ」
一「おいおいじゃダメなの!」
咲「うーん…」
一「ボクだって仕事があるんだからさ…」
咲「さっき衣ちゃ…さんに言ってきたし…」

一「一応透華がボクの雇い主って事になってるしさ」
咲「…。嫌…なんですか?」
一「ん?」
咲「わたしとチーム組むの」ウルウル
一「わ、いや、そうじゃなくてね」
咲「うう…」グス
一「な、泣かないでよ」
一「ちゃんと理由をね、話してくれないとさ」
一「透華だって、秋季にボクが出ることには賛成だろうし」
咲「じゃあ、行きましょ」グイグイ
一「だからね」
咲「だってー」

一「りーゆーう」
咲「うーんと、わたしから見てですね」
一「うん」
咲「はじめさんが一番強いと思うんですよね」
一「うん?」
咲「麻雀」
一「うん?え?」
咲「いや、それだとちょっと違うかな…」

一「えーと。いやいや、だって」
咲「その…。夏の結果云々とかじゃなくて、ですね」
一「んん?」
咲「打ち方…。いや、うーん。むむむ…」
一「え?そんなに悩むところなの?」
咲「とにかくはじめさんが一番なんです!」
一「はぁ…。それはどうも…」
咲「じゃあ、行きましょ」グイグイ
一「まだまだ」
咲「えー」

一「それで…。どこ行くつもり?」
咲「え…?」
一「とりあえず付き合うからさ」
一「ほっておいて迷子になられても困るしね」
咲「やったー!」ワーイ
一「いや、まだチームになるとは…」
咲「…えっ」
一「あっ」
咲「そうですよね…わたしなんかと…」ショボン
一「あー!もう!分かったから」
咲「えっ」パアアアア
一「…フフ。全くもう…。分かったからさ」

咲「それじゃあ…」
一「ただし!」
咲「はい!」
一「3人目を見てから決めるってことで」
咲「大丈夫です!絶対はじめさんも納得しますよ!」
一「本当かなあ…」
咲「じゃあ、行きましょ」グイグイ
一「だーかーらー」
咲「3人目の所に行くんですよ」
一「んー。なんとなく分かってたんだけどね」
咲「じゃあ、行きましょ」グイグイ
一「話を聞きなさいね」
咲「だってー」

一「咲ちゃんこんな子だったかなあ」
咲「嬉しいんです!はじめさんといるの」ニパ
一「お…。そ、そっか」
咲「だから…。はしゃいじゃってるかもしれないですね」
一「で…どこいくの?」
咲「ウフフ。それはですねー」

ドシン

咲「あ…。すみません」ペッコリン
咲「え?あれ、誰もいない?」
一「…。いや、いるね」ジー
?「あらら?嶺上さんに、龍門渕のメイドさんじゃないっすか」
咲「えっ?あ、ああ!東横さん!」
桃子「どうしたんすか?」
一「はじめでいいよ」
桃子「ん?いいんすか?名前で呼んでも?」
一「メイドさんよりはね」アハハ
桃子「鎖子さんってのも考えたんすけど…」
一「はじめでいいよ」ニッコリ
桃子「おっと、なかなか迫力のある…」

咲「東横さんは何してたんですか?」
桃子「秋季大会のチーム作りっすよ」
咲「あ、わたし達と同じですね!」
桃子「たち…?え、じゃあ嶺上さんとはじめさんが?」
一「おや?いつのまにやら」
咲「既成事実とはこうやって作られるんですよ」シレッ
一「何言ってんのさ」グリグリ
咲「ひゃー」ヤメテー
桃子「ふうん。3人目…はいないみたいっすね」
咲「今から会いに行くんです」
桃子「へえ、わたしはこれから西へ向かうっす」
咲「あ!じゃあ…」

咲「おんなじですね!」

一「…。咲ちゃん」
咲「はい!」
一「さっきからボクをひっぱってたの」
一「東京方面だよ…」
咲「…。連れてって下さい…」
一「はいはい」
桃子「じゃあ途中まで一緒に行くっすー!」

?(ん…。あの人達は…)
?(あの3人でチームなのかな…)
?(方角は一緒…か…)
?(秋季大会…。チームでの戦い…)
?(はじめての事ですが胸踊ります…)
?(お祖父様…!)


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臨海女子学園寮

慧宇「ふわあ…」
慧宇「…ムニュムニュ」
慧宇「まだ眠い…」
慧宇「あ、食堂に明華がいる…」
慧宇「おはようー」トテトテ

明華「あら、おはようございます」
明華「と言ってももうお昼近いですよ…」
慧宇「エヘヘ。ちょっと寝坊しちゃったかな」
明華「とはいえ、わたしも」
慧宇「ん?」
明華「今日はちょっとお寝坊でしたね」ニコ
慧宇「あら、珍し。どうしたの?」
慧宇「というか…。ネリーとメグは?」

明華「お二人とも秋季大会のチーム決めとかで…」
慧宇「あららー。なるほどねー」
明華「サトハなどはもう秋季に向けて合宿しているとか…」
慧宇「ええ!?もう!?」
慧宇「っていうか…。サトハは個人戦のTOP3チームでしょ?」
明華「ええ。多分…。遊んでいるのでしょうね」
慧宇「だろうねえ…。でも油断して遊んでるなら…」
明華「油断はしてないでしょうけど」
慧宇「それもそっか」

慧宇「それで?」
明華「はい?」
慧宇「なんでお寝坊だったの?」
明華「ああ…。実は今日はじめてお会いする人がいるので…」
慧宇「むむ?」
明華「楽しみで眠れませんでした」
慧宇「あれ?実はワタシもなんだよ」
明華「あらら?それってもしかして…」
慧宇「うん。秋季大会の…」
明華「偶然ですね」

慧宇「とりあえず寮で一泊してもらって」
慧宇「明日一緒に北上!」
明華「あらら?わたしも同じような…」
慧宇「うん?そうなの?」
明華「ええ。寮で一泊してもらって」
明華「明日一緒に東北新幹線で…」
慧宇「およ?ワタシも同じだよ?」
明華「あらら?」

慧宇明華「「…」」

慧宇明華「「宮守女子に…」」

慧宇明華「「…」」

慧宇明華「「ええ!?」」


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新幹線内

友香「えーと…。リザーブした席は…」キョロキョロ
友香「あっ。ここでー!」
友香「窓際じゃないでー…」
友香「窓際にはもう誰か座ってる…」
友香「…??どこかで見たことがあるような…」
由子「あら~?あなた劔谷の1年生の森垣ちゃんやない~?」
友香「はい、そうで…。あの失礼ですけど…」
友香「いえ、見たことがあるようなって…」

由子「ええよ気にせんで~」
由子「ウチは洋榎がバーン目立ってまうから」
由子「他の子ぉらは覚えてもらえへん事多いのよ~」
友香「ヒロエ…。あっ、愛宕洋榎!」
由子「そうそう~。姫松の真瀬由子言います~」
友香「あっ、そうでー!す、すみませんでー!」ペッコリン
由子「なんも~。そんなおおげさにせんでも…」
友香「駄目なんでー。梢先輩に叱られるんでー…」
由子「アハハハ。古塚ちゃん確かに、そういうのうるさそうやね」

友香「梢先輩の事知ってるんでー?」
由子「知ってるも何も…」
由子「まあ、関西圏で麻雀しとると」
由子「他校との交流って結構あるのよ~」
友香「そ、そうなんでー?」
由子「せやで~。森垣ちゃんはまだ1年なんやし」
由子「ええのよ~?知らんもんは知らん言う方が偉いのよ~」
友香「真瀬さん優しいでー…」
由子「ええから、突っ立ってないで座ったらええのよ~」
友香「はーい失礼するでーす」

由子「ウフフ。森垣ちゃんは帰国子女なんやっけ?」
友香「ワオ。そんな事もしってるんでー?」
由子「麻雀は情報戦も大事なのよ~?」
友香「勉強になるでーす」
由子「ほんで、今日はどないしたの?」
友香「えーっと、秋季大会のチームの事で東京へ行くんでー」
由子「あら、ほんま?わたしもなのよ~?」
友香「オウ!偶然でー」
由子「ほなら東京までご一緒しよ~な?」
友香「はい!よろしくでー」

友香(真瀬さん、とってもいい人でー)
友香(古塚先輩に怒られなくて済むでーす)

ユーキユーキ!シャシントッテクダサイ!
ハイハイ
モゴモーゴ

友香(…なんかうるさい人たちがいるでーす…)


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姫松高校

桃子「という訳でここにいるっす」
漫「意味わからんわ!」
恭子「ええと、東横ちゃんやったっけ?」
桃子「はいっす!」
恭子「ちょっと座り」ソコヘ
桃子「はいっす!」ストン
恭子「ちょっと髪上げて…おでこ出して?」
桃子「こうっすか?」
恭子「そうそう」デコピン
桃子「いたぁい!」

恭子「勝手に入ったらあかんわな」
桃子「いたた…」オデコオサエ
恭子「反省しいや」
桃子「はいっす…。すいませんっす」
恭子「分かればいいわ。痛かったか?」オデコナデナデ
桃子「ん…///痛かったっす」
漫「…むむむ…」
桃子「…はっ!駄目っす!末原さん」バッ
恭子「ん?駄目?」
桃子「上重さん、ごめんっす!こんなつもりじゃ!」
漫「お?なに?なに?」

桃子「分かってるっす」
桃子「上重さんの気持ち、分かってるっすよ!」
漫「え?いや、だから?なに?」
桃子「いいんすか?」
漫「なにゃ?」
桃子「ここで、言って、いいんすか?」
漫「いや、え…」
桃子「末原さんがいる、ここで、言って、本当に。いいんすか?」
漫「あんた、何を」
桃子「フフフ。分かってるっすよー」
恭子「???」

桃子「ということで、わたしは上重さんとチームを組むっす」
漫「なにゃ?」
恭子「ほえ?ああ、まあチームなら良かったんやない?」
漫「でも、ちょっと意味が…」
桃子「末原さんも、楽しみにしてて下さいっす!」
恭子「うん?」
桃子「エントリーされるのを!」
恭子「ああ、まあそれは。うん」
桃子「じゃあ、上重さんを借りるっすね」
恭子「ちゃんと返してな」
漫「人を勝手に貸し借りせんといてくれます!?」

桃子「もっちろん。ちゃーんとお返ししますっす!」
恭子「うん。しますっす、って変やない?」
桃子「気のせいっすっす」
恭子「今のはアカンわな。聞き逃せへんもん」
桃子「アハハ。末原さんは拾い上手っすね」
恭子「ムフ。まあ、落ちとるもんは拾うわな」
漫「…むむむ」
桃子「ああ!またやっちゃったっす!」
桃子「なんか仲良くしちゃうっす!ごめんっす!」
恭子「???」

桃子「ということで3人目がそろそろ来るっす」
漫「ああん?」
桃子「それまでちょっと待機させてもらっていいっすかね?」
恭子「うん。まあ、ええよ」
桃子「ありがとうっす!」

?「と、東横さーん?」

恭子「ん?」
漫「え?もう来たん?」
桃子「あ、いえいえ。これは別口っす」
桃子「末原さんのお客さんっすね」
桃子「入っていいっすよー!」
漫「我が物顔やな!」
恭子「ちょ、待って。今の声…」

咲「お、お邪魔しまーす…」
漫「わあ!魔王や!」
恭子「」デコピン
漫「いたあ!」
咲「ア、アハハ…」
恭子「お、おま。咲?なにしてん?」
咲「恭子りんさん。来ちゃいました」
恭子「ムフ。恭子りんさん言うなや…」

一「お、お邪魔しまーす」ピョコ
漫「わあ!え?なに?それ服?布?え?糸?」
恭子「」デコピン
漫「いたあ!」
一「糸は無いでしょ糸は」
恭子「ああ、あんたかあ…」
一「うん。まあ、ちょっと想像はできたかな…」
恭子「咲。あんた、この3人で…?」
咲「はい!わたしと一緒にチーム組んで下さい!」ペッコリン


========================エントリーNo.

末原恭子(姫松高校3年/チームリーダー)
国広一(龍門渕高

=

恭子「待て待て待て」
咲「くっ。手強い…」
咲「既成事実とはこうやって作るんだよ作戦がきかない…」
恭子「なんでわたしがリーダーなってんねん」
咲「それは…」
恭子「いやいや、それ以前に」
恭子「ちょい待と。一旦落ち着こう」
咲「はい」
恭子「うん。ほんでな…」
咲「はい」
恭子「咲。あんたならもっと強いヤツと組めるんちゃうのん?」
咲「恭子りんさんとはじめさんが強いんです!」
一「いや、咲ちゃんそれはボクも聞きたいな」
一「それって、どういう意味なの?」
咲「うー…」

恭子「や、正直な。すごい嬉しいねんで?」
咲「じゃあ」パアアア
恭子「でもなあ、納得でけへんのよ」
一「ボクもそう言ったんだよ?」
恭子「はじめはもうここまで一緒に来た時点で同罪やろ」
一「えー、だってさあ…」
咲「えっと、じゃあ…」
恭子「うん?」
咲「説明して、納得したらチーム組んでくれますか?」
恭子「…ええよ」
一「ボクも」

咲「わかりました。…雀牌ってあります?」
漫「ああ、今自動卓から牌抜いてあるから持って来たるわ」
咲「ありがとうございます」ペッコリン

咲「よーし、じゃあ説明して2人を…」

ゴッ

咲「倒す!」

恭子「いやいやいやいや」
一「え?倒されるの?」
恭子「嫌やわそんなん」
咲「あっ、つい勢いで…」
恭子「ちょ、ちゃんとやろう」
咲「はーい」エヘヘ
咲「やり直しますね」

咲「よーし、じゃあ説明して2人を…」

ゴッ

恭子「ちょ、待って」
咲「え?」
恭子「…。もっかいやろうとか思ってるやろ?」
咲「ドキ!なんのことでしょ」
一「ドキって言ったよ…」
恭子「そういうのええから。な?」
咲「…はーい」
恭子「なんでちょっとこっちが悪いみたいになっとんねん」
一「もーいいからやりなさい」グリグリ
咲「ひゃー」

桃子(嶺上さん…。楽しそうに笑ってるっすね)
桃子(ウフフ。なんかいい顔っすよ!)
桃子(この3人でチーム組めるといいっすね…)

恭子「漫ちゃーん。はよ持ってきてー…」

一「ほれほれ」グリグリ
咲「きゃー」

恭子「楽しそうで何よりやけど…」
恭子「めげそうやわ…」

カン!

その13へ続く!

【咲-Saki- 3on3SS】Index