嶺上開花マスターのくろもちです。

16巻収録分はこのお話までですね。
と、考えるとそこまで遅れてはいない気がするから不思議です。

とはいえ連載分は間もなく17巻収録分になりそうなので
やはりじわじわ進めていきますねえ。

今回はざっくり振り返れば
マジで!?
という。

ミステリ漫画


前々回は麻雀漫画としての咲-Saki-。
前回は能力バトル漫画としての咲-Saki-。

について触れてきましたが今回は掲題のごとく。

ミステリ漫画としての側面から咲-Saki-に触れてみましょう。

宮永家の謎、などとかつてわたしは銘打ってみましたが
まさにこの部分が咲-Saki-におけるミステリな訳ですね。

ミステリの定義


漫画という手法、だけの話しではありませんが
作者が提示する順番に作品を鑑賞するしか方法がない場合でも
そこに登場する人物や世界観などは
最初からすべて提示されなければいけないもの、ではありません。

いわゆる読者の気を引くために隠しておく部分
というのは作品にとっては大事ですが
その作品の世界観に読者が入り込めない
人物であれば感情移入できない
という大きなデメリットがそこにあるために
多くの場合は、それに頼り切ることは無いでしょう。

例えば漫画での新連載作品テンプレートを考えてみると
1ページ目に世界観もしくは主人公のナレーションがあり
見開きでタイトル
そんなものが思い浮かびます。

よくある非常に分かりやすいテンプレートですよね。

咲-Saki-においても
短期集中連載後の本編連載開始である第1局は
まさにこのテンプレートに則っています。

これは読者を作中に引き込むため、の手法として確立されていますね。

つまり、読者を引き込んだ後、のお話になりますね。

隠しておいた部分が明らかになった際のカタルシス
に重きを置く場合
極端な話しその部分がまさに作品の核となる場合
その作品はミステリとして定義されるわけですね。

無論そこにはある程度のフェアなルールが必要で
いわゆるノックスの十戒、ヴァン・ダインの二十則、など
があったりします。

前述の世界観や人物の提示もこれにあたる訳ですが
実はこの部分を省略する、という手法も多く取られています。

それは何かといえば
コモンセンス
ですね。

コモンセンスと思い込み


咲さんかわいいはコモンセンス。
咲-Saki-といえばコモンセンス。

ではあるのですが。

常識、良識、共通認識。
ここでいうコモンセンスはそういった意味合いです。
ここでいう、ってのは咲さんかわいいの部分ではなく
前述の部分ですからね!

先に(咲-Saki-だけに)結論から言いますと
小林立のミステリロジックは
コモンセンスを逆手にとったものである
ということです。

というのも、現代の日本を舞台にした作品で
現代の日本に住む我々に対して
長々とその世界観を説明する必要はありません。

世俗、風俗、文化、インフラ
そういったものはコモンセンスとして割り切ることが可能です。

その違和感なく説明が省略されている部分を
逆手にとっているのが
小林先生のミステリロジックだと思うのです。

例えば両親の不在。
宮永姉妹や松実姉妹、衣おねーさんは
作中で母親、父親、もしくは両親が
不在であることが明示されています。

アラタチャーや南浦数絵ちゃんは
祖母、祖父が家族として登場したが両親は健在かどうか?
登場はしていないけど、いるだろう
と考えるのがつまりはコモンセンスです。

つまりはこの部分が省略されている他のキャラクターは
両親が不在であるはずがない
という思い込みが生じる訳です。

そして感想記事で何度となく書いてきておりますが
小林先生は描く必要のあるもの
についての取捨選択をかなり綿密に計算していると思われます。

さらに一歩踏み込むと
この部分に裏があるのでは?
と読者が思い込むことで
全く謎が無い部分に勝手に謎が増えていくのですね。

まさにわたしのような読者にとって
咲-Saki-はミステリ漫画なのです。

クォーターを覆い隠した重要キャラクター


さて、今回宮永姉妹がクォーターであると
無能マスコミ改め有能探偵西田さんが突き止めます。

正確には、宮永愛こと
元プロでハーフのアイ・アークタンダーが
宮永界の妻と思われる、ということな訳ですが。

単純に考えれば宮永愛はハーフなので
宮永姉妹はクォーター、で良いはずなんですけども…。

裏を気にしてしまうとこう考えざるを得ない訳です!

咲さんとテルテルがクォーターである
というのはなかなかに盲点であったというか
まあ、正直現時点でも本当にそうか分からないのですが
そこはまあ、一旦置いておきまして。

そこから我々の目を遠ざけていた
重要キャラクターがいますよねえ。

誰かお分かりでしょうか。

そうです!
越谷女子高校先鋒!
新井ソフィアちゃん!ババーン!

彼女は非常に分かりやすい混血児っぽいデザインです。
なんたって肌の色が違いますから。
先鋒なので帰化していると思われる彼女がいたために
明らかな特徴が無い他のキャラが混血である可能性
というのを、見えなくしていた訳ですね。
まさにコモンセンスの逆用です。

実際、見た目に特徴のある善野さんについては
なんとなく色々あるような気がして個別記事も書いたのですが

気になるあの子は善野監督の娘だよ説。 : おもちもちもち

続・気になるあの子は善野監督の娘だよ説。もしくは、善野さんはあの夏のインハイに出場できなかったよ説。 : おもちもちもち

宮永姉妹がそうである、とは考えていなかったので
まさに手のひらの上でしたねえ。

あ、そういえば。
車椅子の金髪の子のシーンで
背景が日本では無さそうなので海外のシーン
という意見もあったのですが
正直なところわたしは
海外の背景を日本舞台の作品で使うのはアンフェアではない
と考えていますので、背景前提のお話は一切考えていません。

それを追求してしまうと
今現在日本の「そこ」に存在しないものを
作中で描けなくなってしまうから、という単純な理由です。

謎の老婆


西田さんが突き止めた謎の老婆。
彼女は一体何者なのでしょうね。

なんとなく考えると
旧宮永家で火事が起こった当時ご近所だったが
今は施設にいる人、ぽいんですけども…。

果たして本当にそうなのか!

彼女が既に痴呆が始まり記憶が混同していて
意図せず嘘をついている可能性も否定できません。

証言が意図せぬ虚言になってしまっていた、というのは
00年代の日本ミステリによくあったパティーンだったりします。

西田さんが左手にボイスレコーダーを持っていますが
下手したらこれは動作していないでしょう。
さらに深く聞き込みに行ったら
謎の老婆はそこに存在せず施設の職員に聞いても
そんな人が入所していた記録は無いみたいな…。
他人に信頼させるソースが存在しない…!
すわ、このシーンは西田さんが見た幻…。
そんなミステリがはじまる可能性だってあるのです!

と、まあそれは一旦置いておきまして。

ここら一連のシーンについては
すべての台詞を抜き出してすべてを読み解くということを
宮永家の謎個別記事の続編として準備しております。
海外、シノハユ、探偵、iPSベイベー説と
色々な要素をこねくり回しているのでそちらをお待ち下さいねえ。

最終ページ


これについては言葉もありません。
掲載当時の次号は休載というのも含めまして。

全国編アニメラストのあのシーン以来
久々にキマシタね。色々。

思うところがありすぎて
感想記事にはまとめられないと思いましたので
この部分は、前述の個別記事にて!

…正直こんな割り切りをして
ようやくこのお話の感想記事に着手できたのです。

その他


京太郎も一緒に控室に移動してるっぽいので
決勝戦中もちょっとは出番ありそうですね。
やったね!京太郎!

ゆーきがすばら先輩の髪型を真似しているのが
とってもすばらなのですが
これを見て久が嫉妬する、というのを妄想してみました。

今回の感想記事書いてて気づいたのですが
わたしクウォーターってカタカナでは書いてました。
本編に合わせてクォーター表記にしてみましたのだ。


あ、最後になりますが
このお話は最終ページの衝撃と
一連の宮永家証言シーンに
マーカー引きまくったりしたこともあり
当時YGを2冊買いました。

そんなところで今回は以上!

カン!

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