嶺上開花マスターのくろもちです。

おさぼり期間を経て追いつきましたね。

明日は第150局掲載号が発売予定ですので
いつものごとく振り返りの意味も含めた感想記事ですよーぅ。

ざっくり振り返れば
インターバル!

咲-Saki-のストーリーテリングに
大きな意味を持つであろう
今回のお話を、前回同様比較メインに振り返ってみましょう。

Bブロック2回戦大将戦インターバルとの比較

のどちゃんに怒られるションボリ咲さん。
非常に小動物チックで咲さんかわいい。

のは良いのですが。

ここでアニメ全国編で追加された
Bブロック2回戦大将戦インターバルを振り返ってみましょうね。


和「調子は…どうですか?」
咲「んー」ジュースチュー

和「1回戦、私たちは出番がありませんでしたし」
和「公式の試合は久しぶりですね」
咲「んー」

咲「流石全国だよ。あんまりうまくいかないもん」
咲「それにまだ何か隠してる人もいそうだし」

ジョウナイアナウンス

和「そろそろですね」
咲「じゃあいってくるね」ステトイテ
和「はい」リョウテデウケトリー

和「あ…咲さん」
咲「ん?」
和「あの」

和「一緒に準決勝に行きましょう?」

咲「んー」コクリ

~セナカニユウソウナビージーエム♪

咲らじでも魔王と女幹部の会話などとネタにしていましたが
確かに圧倒的強者のオーラを纏っている咲さんです。

そして、今回の小動物咲さん。

同じキャラクターとは思えない程の描写の違いがありますが
やはりこれは、視点の違い、と捉えるのが良いと思うのです。

今回は咲さん視点。

そして前回はのどちゃん視点。
さらには読者、視聴者、阿知賀視点であった
と捉えられると思うのです。

宮永咲

咲-Saki-は長期連載作品である。
そう紹介しても間違いではないと思います。

しかし、主人公宮永咲のキャラクター造形は非常に曖昧で
それは何故かと考えれば
宮永咲視点で物語が進行しないから
だと思うのですね。

群像劇

小野学監督も色々なインタビューや特典映像などで
咲-Saki-は群像劇である
ということを強調していましたが
やはりその群像劇としての物語構造が
宮永咲というキャラクターを
主人公から1人の登場人物に
いわば引き下げている部分が大いにあると思うのです。

魔王宮永咲を見る視点

さらにこれまで当ブログで書き続けてきておりますが
全国大会になってからは
執筆期間の問題もあるとは思いますが
必要な物をも描かない演出
が多用されるようになっています。

長期連載であることで
毎回のように咲-Saki-掲載号を購入し
連載最新分を追いかける読者層にも
入れ替わりが生じることでしょう。

そんな色々なものが相まって
咲-Saki-は

主人公の魔王宮永咲が
得意技の嶺上開花を用いて
ばったばったと全国の強者たちを切り捨てていく
痛快能力麻雀作品

として捉えられている部分が非常に大きくなってしまっていると思うのですね。

そして昨今の出版事情、スピンオフや連載の引き伸ばしなど、から
脇を固めるキャラ、倒すべき相手に焦点をあわせて
作品を盛り上げていく手法が多くとられるようになっているために
創作物において、主人公が圧倒的力を持つ作品というのは少なくなっています。

そんな中、咲-Saki-の宮永咲は
上記の勘違いの部分で
多くのファンを魅了していたというのは間違いないと思います。

咲らじ全国編を聞く限り
宮永咲役の植田佳奈さん
原村和役の小清水亜美さん
両名も、こういった魔王宮永咲の描写を好んでいるようですし。

しかしそれは、
宮永咲のキャラクター造形の一端である
と、今回のお話は強調していたように思うのです。

咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A

で、あるからこそ
咲-Saki-阿知賀編 episode of side-Aであったはずなのです。

これも全国編アニメ感想記事に強調してきましたが
阿知賀編において、スーパーベビーフェイスの阿知賀女子学院が
倒すべき相手として、圧倒的ヒールとして描かれる清澄高校と宮永咲。

それが咲-Saki-阿知賀編 episode of side-Aで描かれた
トイレを探す咲さんの描写な訳ですから。

宮永咲を、そういった視点で強調して描く作品が
咲-Saki-阿知賀編 episode of side-Aである
と考えても良いと思うのです。

しかしやはりこれも
咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A終了後から
あまりに時間が経過しすぎている、という問題がありますよね。

宮永咲が見る視点

宮永照と向かい合うために麻雀を使うしかない悲壮感。
自分が思ったようにいかず思わずビクビクしてついには泣いてしまう。

宮永咲は精神的に非常に脆い、弱々しい存在なのです。

魔王描写が強調されていたBブロック2回戦を
そういった視点で振り返ってみれば
鳴きで順番が変えられてションボリしたり
部長のアドバイスを忘れてしまったり
全国強者の3年生3人が待ち構える大将戦に
放り込まれた1年生として
その小さな背中に色々な期待を背負い込んで
それでもなんとか立ち向かう姿、が描かれていることに気づくと思うのです。

だからこその、試合後のあの描写なのです。

鬼畜魔王が一番弱い相手を点数調整して準決勝に連れて行った
そんな試合ではないのです。

無論、1つのネタとして、捉えられているのであれば
それは前述通り、中の人たちもそういった部分を抜き出して遊ぶことはありますし
それはそれで良いのだと思います。

が、準決勝で唐突に宮永咲が雑魚化した、とか
そういうのは見ると寂しくなってしまいますよね。

そうでは無いのです。

それは視点の問題で
宮永咲は連載当初から
そのキャラクターは一切変わっていないのです。

宮永咲が大将にいれば、勝てるのだろう。
読者もそう思い込んでしまうのです。

そういった想いをすべて背負って
宮永咲は大将戦に立ち向かっているのです。

ということで今回は以上!

 カン!


2014年11月5日の更新記事はおさぼりしましたのだ。

2013年11月5日の更新記事
咲-Saki-×キン肉マン 名シーンダイジェスト風