セーラ「悪かったな」洋榎「…ほんまやで。大阪最強チーム決める前に何負けてんねん」 の続きです。


ーーーー国広一サイド
???

小蒔『…と、まあこんな理由なんですけど…』

一「…」
咲「…」

小蒔『ええ。そんな理由で…』

一「…」ジトー
咲「…」コマリガオー

小蒔『…えへへ』

一「完全に永水のせいじゃないさ!」
小蒔『ええっ!?ばれました!?』
一「隠そうとしてたんだ…」
小蒔『だってだって!』

ワーワー

咲「でも、今の説明だとここがどこかは分からないよ…?」
一「ん?…そっか。原因は、ってことだもんね」
小蒔『えっとですから一個づつ持ってくるよりもくっつけちゃった方が早いので…』
一「その一個づつ持ってくるってのが、分裂人格ってこと?」
小蒔『そうですそうです!』

小蒔『ええっと、真ん中にインクが零れたレポート用紙を思い浮かべてください』

咲「はい」
一「なにを唐突に」

小蒔『どこまで染み込んじゃったかは、ページを捲らないと分かりませんよね』

一「ん、まあ。そうかな」

小蒔『1枚1枚レポート用紙をめくって剥がしていきます』

一「はい」
咲「はい」

小蒔『ばらばらになったレポート用紙には1枚1枚インクがついていますね』

一「そうだね」

小蒔『とても似てますけど、でも全く同じ形や濃さではないですね』

一「うん」

小蒔『ばらばらになった時点で、どういう順番で並んでたのかも分からなくなっちゃいますね』

一「ん?まあ、そっか」

小蒔『しかもこのレポート用紙は磁石でくっついていました』

一「うん?」

小蒔『きちんと整列していればくっついてますけど、ちょっとずれると、どうなります?』

一「えー?」
咲「それは…。磁石なら離れちゃったり、くっついちゃだめなところがくっついたり…」

小蒔『インクが人格。レポート用紙が世界だとしたら、どうなります?』

一「え…」

小蒔『まとまっていたレポート用紙が世界。でも1枚のレポート用紙も世界』

一「ん…?」

小蒔『そして、1枚目になれればオリジナルを名乗れるとしたら、どうなりますか?』

一「え?ってことは、待って」
小蒔『はい』
一「くっつけちゃうっては…?人格全部をくっつけちゃうってこと?」
小蒔『それを狙ってくるってことですね!』
一「…分裂人格がね」
小蒔『そうですそうです!』
一「…。めちゃくちゃ危険じゃんか!」
小蒔『分かってくれましたか!』
一「そうじゃなくって!」


ワーワー


咲「えっと、それでここがどこなのかは…」
小蒔『えーとですねえ…。うーん…』
一「えっ、分からないの」
小蒔『なに言っても怒りません?』
一「怒らないよ」
小蒔『今の即答でした!ちょっと気になります!』
一「あ、鋭い」
小蒔『えー』
一「それは内容によるよー」
小蒔『…そうですよねえ』
咲「それで…?」

小蒔『分裂人格は、いわゆる二重人格とは違います』
一「ん、まあ。そういうことなんだよね」
咲「同時に複数の人間が存在することになっちゃうんですもんね」
小蒔『ええ、そのはず、なんですけど…』

一「その…」
咲「…はず?」

小蒔『宮永さん』
咲「は、はい!」

小蒔『意識は全て繋がっていますか?』

咲「…え」

小蒔『自分が知らないところに自分がいたりしませんか?』

咲「…」

小蒔『例えば…。気づいたら知らないところにいた、とか』

一「それはどういう…」

小蒔『あ!』

一「わあ!なになに!?」

小蒔『ちょ、わたしの体に異変が!なんでしょうこの感触!』

一「え?なになに?わかんないよ、どうしたら良いの?」

小蒔『ちょちょ、ちょっと戻ってきますね!本体に!』

一「なんか、凄いこと言ってる気もするけどこのタイミングで!?」

小蒔『少々お待ちをー!』

…オーホーセーセーサー!…オーホーセーセーサー!

一「保留音!?電話かなにかかな!?」


咲「…」
一「…気にすることないよー、とは言えないけどさ」
咲「ちょっと混乱してるんです」
一「まあ、そうだよねえ」
咲「さっきのお話、単純に考えると、どうなります?」
一「…うーん」
咲「言ってください」



一「咲ちゃんが…」
一「既に分裂していた…?」


ーーーーー大お泊り会実行委員会本部 外出部隊サイド
大会会場側

白望「…穏乃変わって」
穏乃「はーい失礼しますよー」

穏乃「よいしょ、鼻つまんでー」フニュ
穏乃「顎上げてー」クイ

フーフー

漫「効果あるんです?」
白望「…心臓は動いてるけど呼吸してないからね」
白望「…よくわかんないけど、やらないよりましかなって」

浩子「無理な心臓マッサージやらは危ないですけど」
浩子「人工呼吸が逆に、ってのは前例がないですね」タブレットイジリー
白望「…ん」

洋榎「小瀬川の方の情報とあわせて…」
セーラ「うん。まあ、フナQ先輩ならなんとかしてくれるやろ」
浩子「アホなこと言わんといてくださいよ。一体何が何やらですわこんなん…」

泉「アカンわこんなん…。分裂人格てなんやねん…」

智美(本編)「ワハハ。むっきーだけいないのかー」
佳織「いや、そんなこと言ってる場合じゃ」
桃子「…」スリスリ
ゆみ「あの、モモ。もうちょっと離れて…」
桃子「…」ムチュー
ゆみ「意味がわからん!離れろ!」グググ
桃子「えー」
ゆみ「えーじゃない!」グググ

小蒔「…むむ」
穏乃「…ふーふー」ムチュー
小蒔「んんん!?」
穏乃「あ!気づいた!シロさあん!」ノシ
白望「小蒔!」トテテ

小蒔「…接吻を」
穏乃「あ、ごめんなさい。嫌でしたよね…」
小蒔「いえいえいえいえ!そんな滅相もないこちらこそ!」
穏乃「いやいや!その…。結構なお点前で…///」
小蒔「///」

漫「何を言うてんねん」ペシ
穏乃「あいた///」

白望「…穏乃にもやらせたのはわたしだから」
小蒔「高鴨さん、にも?」
白望「わたしもした」
小蒔「…///」

洋榎「お、なんや姫様気づいたんかいな」
絹恵「…一安心といったところやね」
浩子「しかしよう無事やったなあ」
セーラ「ほんまやなwww」

小蒔「ああ、それは」スック

小蒔「浮き輪です!」ババーン!

漫洋榎絹恵浩子セーラ「「「「「んなわけあるかい!」」」」」

衣(本編)「あははー、あるかー!」

白望「…はぁ」アタマカカエ
小蒔「この浮き輪が衝撃をですね!」フンスフンス
白望「まあ、なんにせよよかった」ナデナデ
小蒔「はい!」

ゆみ「あっちは無事だったようだな」
華菜「あとの問題は…」

智美(SS)「ごめんなあ…」
衣(SS)「智美ぃ…」

華菜「こっちだし…」

智美(本編)「おー、しかしあのワーゲン本当に同じだぞー」
ゆみ「ん?ああ、なにか違いは無いか、調べてみるか」
智美(本編)「よーし、かおりも行くぞー」
佳織「え?う、うん」
ゆみ「華菜はモモをおさえておいてくれ」
桃子「えー!」ブーブー
華菜「ほらほら、暴れんなし」

白望「とりあえず…」
小蒔「はい!」

白望「…」
白望「点呼でも取ろう。人が多すぎる」

カン!

その38へ続く!

【咲-Saki- ドッペルSS】Index



2014年3月8日の更新記事
灼「アシュラマンか!」 穏乃「あっ!灼さんがみたび!」