一「お姉ちゃん…。宮永照?」咲「…はい」 の続き
もしくは
透華「こちらで守るべきはエイスリンさんただ1人」エイスリン「オマモリクダサレ!」の続き
もしくは
洋榎「はぁああ…」 絹恵「なんやのんお姉ちゃん」の続きです。



ーーーー国広一サイド
???

一「…」トテトテ
咲「…ふ、えへへ」トテトテ
一「…」トテトテ
咲「えへへ…」トテトテ
一「…どしたの?」
咲「え?何がですか」ニコニコ
一「や、なんか笑ってるから」

咲「笑ってました?」
一「うん。漏れてた」
咲「そっかあ。えへへ」
一「ふふ。ほら、笑ってる」
咲「えへへ。わたし、好きなんです」
一「ん?誰を?ボクを?」
咲「あ、えと、手を繋ぐのがです」
一「ああそういうこと」
咲「なんか、安心できるっていうか…」
一「ふぅん」

咲「ちっちゃい頃、よく、繋いでたんです」
咲「お姉ちゃんと…」
咲「思い出しちゃって…」
一「そっかあ」

咲「あ、でもはじめさんのこと好きです」
一「ん?そう?」
咲「はい」ニコニコ
一「じゃあ、良かった」ニッコリ
咲「えへへ」
一「ふふ」

?「…さん。宮永さん?聞こえますか?」

一「…ん?なんか聞こえた?」
咲「ああ、多分神代小蒔ちゃんです」
一「じんだいこまき…?ん?え?永水の?」
咲「多分、そうだと思うんですけど…」
一「一体何がどうなって、そうなったの?」
咲「さっきはじめさんと会う前に、声が聞こえて…」
咲「待ってて、って言ってたのでそうかなあと」
一「んー?まあ、今更驚くもなにも無いんだけどさあ…」

小蒔『もしもーし?宮永さん?』
咲「ああ、はいはーい、聞こえてまーす」
小蒔『ああ、良かった。間違えてたらどうしようかなと思っちゃいました』
一「間違うって…?」
小蒔『たまに、あるんです。変なトコロに行っちゃうこと。迷子みたいな感じですかね?』
咲「…迷子…?」
小蒔『そうですね。えへへ。ええっと、先ほどの声の方は…?』
一「ん。龍門渕の国広はじめだよ」
小蒔『まあ、天江さんの!』
一「そうそう。覚えててくれたんだ」
小蒔『ええ、それはもう!天江さんとはお話したいなあと思ってたんです』
一「そっか、衣も喜ぶよ」
小蒔『お話できるといいですね』

一「そっちから姿が見える訳じゃないんだ?」
小蒔『え?どうしてですか?』
一「や、さっき言ってたじゃん。先ほどの声のー、って。見えてないってことかなあって」
小蒔『わわ。凄いです!』
一「えー」
小蒔『国広さんは探偵さんですね!』
一「いや、違うけど…」

咲「小蒔ちゃん。ここってどこなのかな?」
小蒔『なんと説明すればよいのでしょう…。境目?ズレ?』
咲「んん?」
小蒔『ええっと、1個づつ持ってくるより全部くっつけちゃった方が早いですよね?』
咲「ごめんなさい。全然分かりません」
小蒔『困りました…。すみません。説明が下手で…』

一「多分さ、前提がずれてるからわからないんだと思うよ」
小蒔『前提、ですか?』
一「そそ。ボクらは今日Aブロックの準決勝の途中から」
一「まあ、正直ずっと寝てたようなもんだから…」
一「神代さんの周りや、大会で何が起こってるのかよくわからないんだ」

小蒔『えっと、そうですね。まず突変化粒丸というものがありまして…』


ーーーーー大お泊り会実行委員会支部 迎撃隊サイド
仮設支部

まこ「…」ブツブツ

睦月(ふたば)「ウムァアアアア!」ジタバタ
純「わっ、そんな暴れんなって!」
胡桃「よし!こっち抑えたよ!」
エイスリン「オッケー!」
睦月(本編)「えっと、それでわたしは…」

煌「…という感じでいかがでしょう?」
智紀「グレート。すばらしいと思う」
煌「沢村さん、そのようなときはですね…。こう言うのです」
智紀「…?」
煌「すばらっ!と」ドヤァ
智紀「…すばらっ」
煌「すばらです!」

まこ「…」ブツブツ

睦月(ふたば)「ウムアアアア…」
優希「なんか…。ちょっとかわいそうだじぇ…」
煌「ゆーき」
優希「花田先輩…」
煌「あなたの優しい気持ちはすばらです。ですが…」
煌「ですが、先ほどあなたがされたことは忘れてはなりません」
煌「立場によって敵意を向けたり同情したり…」
煌「それでは、大切なものを守れなくなってしまうのですよ」
優希「うん…」

煌「さあてと。津山さん。カードとともに触れてみてください」

睦月(本編)「う、うむ…」つスコヤンカード
睦月(ふたば)「ウムア?」

パアァァアァァ…

透華「消去条件が揃ったわけですわね」

睦月(本編)「うむ…」
睦月(ふたば)「ウム…」
睦月(本編)「うむうむ」
睦月(ふたば)「ウ、ウムア…?」
睦月(本編)「!うむ!うむ!」
睦月(ふたば)「ウム!ウム!」

パアァァアァァ…

優希「感動的…なのか?」
純「い、いやあ違うんじゃねえの?」
胡桃「馬鹿みたい」
純「いや、そこまでは言わねえけど」
胡桃「あれ!?」

睦月「…」
煌「本編という文字も消えましたね」
エイスリン「ソトミテ!」

透華「あ、あら?ウムアの群れが消えてますわ!」
純「え、マジか」
透華「完全勝利!ですわ!」
エイスリン「ヤッタネ!」

睦月「…」
優希「これでよかったんだじぇ」
睦月「う…うむ…」
未春「何を話してたんですか?」
睦月「ん?いやこのプロ麻雀せんべいカードいいよねって」
睦月「大事にしなよ、って…」
純「え、マジか」
睦月「言うことかなあと」
優希「分かってないのか!?」
純「なんだそりゃ」
胡桃「馬鹿みたい」

透華「いいですわいいですわ!そうしましたら一転攻勢を…」
胡桃「ダメでしょ!まだエイちゃんの分裂は解除されてないんだから」
透華「ああ…。そうでしたわね。失礼しました」
エイスリン「カタジケナイ!」

まこ「…」ブツブツ
純「それで染谷さんよ」
まこ「ん?なんじゃい?」
純「なんじゃ、じゃねえよ。さっきからブツブツなに言ってるのか知らねえけどよ」
まこ「ん。んー」
純「さっき言ってた仕組みがどうこうの話なんだけどよ」
まこ「ああ、その話かい」
純「一応、こっちは落ち着いた訳だしさ」
純「一旦まとめておきたいんだよ」
まこ「ん。それがいいかの」

煌「こちらが落ち着いたことは、まだ伝えない方が良いでしょうね」
まこ「ん?なんじゃ。お前さん気づいとったんか」
純「んあ?気づく?何の話だ?」
智紀「染谷さんはずっと竹井さんと連絡を取り合ってる」
未春「えっ!?」
優希「そうなのか?染谷先輩?」
胡桃「じゃあ、ブツブツ言ってたのって…」
まこ「まあ、実況じゃのう。あんたさんも気づいとったか」
智紀「通信ログで丸見え」
まこ「おう、そういうもんがあるんか…」

優希「部長は大丈夫なのか?」
まこ「まあ、正直わからん」
優希「えー!」
まこ「こっちのことは伝えとるが、向こうの話は聞いとらん」
優希「なんでだじょ?部長がピンチだったら…」
まこ「んー。説明が難しいじゃが…」
まこ「あいつは、他人に心配をして崩れるタイプじゃからの」
優希「自分から助けてっても言わないタイプじゃないか?」
まこ「お、分かってきとるのう。あいつはそういうの言わんじゃろうねえ」
優希「だったら助けて欲しいかもしれないじゃないか!」

まこ「もちろん可能性はあるじゃろうけど」
まこ「わしは久を信じる」
まこ「あいつに言われたことをやる」
まこ「まずはそこからじゃの」
まこ「あいつを心配するのはその後でええわ」
優希「う…」
まこ「ま、他の皆さんがいるからほどほどにしとくけど…」
まこ「わしゃあ、竹井久を信頼しとる」
まこ「仮にあいつが沈む時があれば…」

まこ「わしも一緒に沈むんじゃ」

煌「ゆーき、今はこのくらいにしておきなさい」
優希「花田先輩…」
煌「あなたにはわからないこともあるでしょうが」
煌「この世の全てをあなたが理解できるとも思っていないでしょう?」
優希「それはそうだけど…。わたしは部長が好きだし染谷先輩も好きだし…」
優希「仲間が思ってることを理解できないのは寂しいじぇ…」
まこ「…」

煌「あなた方は出会ってまだ数ヶ月なんですよ?」
煌「そんな期間で全てが分かってしまったら」
煌「ものすごく…つまらないじゃないですか!」
優希「う…」
煌「分かりたい!分からない!」
煌「面白いじゃあないですか?」
煌「それが人間ってものです!」

まこ「優希がわしらを思ってくれて、理解したいと思ってくれて」
まこ「まあ、なんじゃ、そらあ…とても嬉しいことじゃなあ」
優希「うん…」

透華「すばらしいですわ!あなたお名前はなんと言いましたっけ?」
煌「すばら!不肖わたし花田煌ともうします」スバラ!
透華「そう、すばら。すばらですわ!」
煌「すばらです!」

未春(あ、すばらさんじゃないんだ)
胡桃(すばらちゃんだと思ってた…)

純「いや、なんつーか、あんたはすげえな」
煌「いえいえ、わたしなんかとてもとても…」
純「ちょっと国広くんにも似た強さかなあ…」
煌「ほほう。国広さん。お会いできなくて残念ですねえ」

優希「…」ススス ピトッ
まこ「…なんじゃ、珍しい。わしにも甘えん坊さんかいの」
優希「咲ちゃんものどちゃんもいないし…」
まこ「まあそうじゃのう」ナデナデ
優希「うん…」

純「ええっと、それで話の続きだけどよ」
透華「すばら!」
煌「すばら!」
純「うるさいよ!えー、仕組みの話を…」
まこ「ああ、そうじゃったそうじゃった」

まこ「ひとまずすばらさんの対応で」
まこ「複数に分裂した人物がいても、その内の1人を分裂解除すれば」
まこ「全員が消去できることがわかった訳じゃ」
純「だな」
まこ「それが新情報。ほんで、さっきわしが気づいた仕組みってのは…」

まこ「あの文字は、認識されないと現れないってことじゃな」

未春「認識されないと…」
睦月「…現れない?」

まこ「多分じゃけどの」
まこ「これまで聞いてきたことを総合するとそういうことになりそうじゃ」

純「いや、ちょっとよくわかんねえぞ?」
まこ「ええっと…。例えばさっきの津山さんを例にとるとな」
睦月「う、うむ…」
まこ「すばらさんが、文字が浮かんでいないことに気づいて」
まこ「そこから本編って文字が現れた」
純「うん。確かにそうだった」

まこ「じゃけど、外にいた分裂ウムァには元から文字が浮かんでいた」
未春「ふたば、ってやつですよね」
まこ「わしらは中にいる津山さんが本物だと知っていた」
まこ「いや、正確には思っていたが正しいのかのう」
未春「そうですね」
まこ「で、あの時吉留さんが入れ替わっているんじゃないか?と疑った」
未春「あ、あれ?そうでしたっけ?」
まこ「確かそうじゃったの」アハハ
未春「あ、あれえ?」
睦月「いや、いいんですよ…」
未春「ご、ごめんね…」

まこ「ん、それで本編って文字が浮かび上がって、そこで問題じゃ」
純「問題?」
まこ「鹿倉さん」
胡桃「ん?なに?」
まこ「あの時、本編って文字が現れたのは鹿倉さんも見とるよな?」
胡桃「うん!ばっちり見たよ」
まこ「うん。でも、鹿倉さんは津山さんのこと、ほとんどなんも知らんよな?」
胡桃「ん。悪いんだけど、そうだね」
津山「なんかすみません」
胡桃「あ、いやいや、こっちこそ勉強不足で…」

煌「なるほど…」
まこ「ん。そういうこと」
純「各個人で見え方が変わるわけじゃねえ、ってことか?」
まこ「そういう言い方もできるのう。鹿倉さん自身には…」
まこ「津山さんが本人かどうかを判断することはできんかった」
まこ「じゃけど、本編って文字をわしらと同時に認識している」
まこ「ということは…」
煌「誰かが津山さんを本人だと認識したから、ということでしょうか」

純「だから、まあ仕草とか、一緒にいた、なんつーかアリバイで」
純「津山の場合は本物だと認識されて、本編って浮かび上がった、ってことか?」
まこ「じゃと思うとる。誰が基準になったんかは分からんが…」
煌「おそらくは分裂した本人が、ということでしょうね」
純「うん?」
煌「分裂した本人だけは、自分が本物だと分かっている訳ですから」
煌「おそらく、分裂人格との距離が近くなると文字が浮かぶというのも」
煌「それに関係するような気がしますね」

純「ああ、確かにそうか」
まこ「さっき外に来た宮永照も、清水谷竜華も」
まこ「うちの後輩も」グリグリ
優希「うう、面目ないじぇ…」
まこ「文字が浮かんどったもんな」
まこ「これまで見てきた分裂人格を見る限りは」
まこ「浮かび上がる文字自体を自分でコントロールすることはできんようじゃしな」

優希「確かに本編って書いてあったら本物だと思わせられるんだもんなあ…」

煌「…えっ?」

優希「ん?」
煌「ゆーき、今、なんて言いました?」
優希「え?いや、本編って浮かんでたら、本物だと思っちゃうって…」
まこ「…。それが狙いか…」
透華「本物と入れ替わるのが狙いだと…?」
未春「え?でも、そんなこと…」

煌「本物が認めてしまったら、あり得てしまうのかもしれませんね」

ワーナンネコノタテモノ コウエンニコンナモノー?

煌「ん?」
純「これって、九州の方の方言か?」 
煌「え?え?ちょっと、窓から見て…」
煌「あれええ!?」

姫子「お!花田!なんでそんなとこにおると!?」
美子「あはは。煌ちゃん遅いから迎えに来たんよ」

煌「姫子!?安河内先輩!?」


カン!

その36へ続く!

【咲-Saki- ドッペルSS】Index