初美「望さんがお姉さんですもんねえ」 憧「う、うん」の続きです。

ーーーーー蒲原智美サイド
車中

智美「そろそろ頃合いかー?」
浩子「ですね。次に大会会場側通った時あたりかと」
智美「おっけー。頼むぞゆみちんー」

洋榎「お姉さん、なあ…」フム
衣「うん。透華達といると心地良いんだ」
衣「でも、それはきっと麻雀があるからで」
洋榎「うん?」
衣「咲とな、麻雀をして」
衣「衣は衣で良いんだって分かって…」
洋榎「ふむん」

衣「多分これまでと一緒じゃだめなんだ」
衣「だけどどうして良いか分からなくて…」
洋榎「あー…っと…」
衣「どうだ?洋榎?」
洋榎「あんな?」
衣「うん」
洋榎「さっきからずうっと思っててんけど」
衣「なに?」
洋榎「なんでほんな難しくするん?」
衣「え?」

洋榎「ほんな難しくせんでもええやんか」
衣「何も難しいことはなかろう?」
洋榎「お前の中では、やろ?」
衣「う、うん」
洋榎「それやとあかんねんて」
衣「な、何故だ?」
洋榎「伝わらへんもん」
衣「え?」
洋榎「こっちに、いっこも伝わってこおへんもん」
衣「伝わらない?」

洋榎「うーん…と、多分天江の家族て優しいんやろなあ」
衣「う、うん。そう思うぞ」
洋榎「やから、天江の言いたいことを汲み取ってるんやんな」
衣「そうなのか?」
洋榎「せやろなあ。お前自分で言ってること伝わってへんと思ってないやんな?」
衣「う、うん」
洋榎「せやろなあ。仮にウチに伝わってへんとして」
洋榎「そっから先、なんもせえへんやろ?自分」
衣「…」
洋榎「さっきの小難しい話もそうやったもんなあ」
衣「う…」

智美「アタゴンあんまりいじめるなよー」
洋榎「アホか。いじめてへんわ」
智美「そーかー。なあ、衣ー?」
衣「ん?」
智美「まあ、聞いてみろよ。こう言っちゃあなんだけど」
智美「たまには他人の意見を聞いてみな」
衣「智美が言うなら…」
智美「だそうだぞアタゴンー」
洋榎「ありがとさんさん。さんころりー、やな」
衣「え?」
洋榎「いや、別にええねんけど」
衣「うん」

洋榎「ええか?天江」
衣「ん」
洋榎「言いたいことあるんなら伝えへんとダメやんか」
衣「うん」
洋榎「相手に伝わらんなら、伝えへんとダメやんな」
衣「う、うん」
洋榎「自分で伝えようともせんで、相手が分かってないーとか」
洋榎「せめるんは筋違いやで」
衣「ん」
洋榎「まあ、それと家族云々は関係あらへんのやけども」

絹恵浩子「「関係ないんかい!」」

衣「えっ…」

洋榎「やや、嘘や嘘」
絹恵「意味わかれへん。なんやそれ」
洋榎「なんや一回はさんどこおおもってな」
浩子「そんなクッションいらんわ」
洋榎「っさいボケ」
衣「け、けんかはダメだぞ」

洋榎「これが家族や」ドヤァ

衣「ええっ!?」

絹恵「いやいやいやいや」
浩子「洋榎姉それはちゃうやろお」
洋榎「似たようなもんやんか」
絹恵「嘘やん」
洋榎「ちょ、待って口はさまんといて」
絹恵「うっわ最悪やこの人」
洋榎「ええから、ウチのお姉ちゃん力に任せときぃな」
浩子「皆無やん」
洋榎「っさい!ちょっとはあるわ!」
絹恵「自分でちょっと言ったら世話ないなwww」

衣「えーと…」
洋榎「ごめんごめん。えとな。まあ何が言いたいか言うとな」
洋榎「まず、伝えたか、よりも伝わったかが大事ちゅうことと…」
衣「うん」
洋榎「家族っちゅうのんは…なるもんや無いと思うねん」
洋榎「なってるもんや思うわ」
衣「なるものじゃなくてなってるもの…?」

洋榎「せやなあ。いや、きっかけはどこでもええねんけど」
洋榎「正直、今家族になりかけてるなあとか」
洋榎「そういうもんやあらへんと思うわ」
洋榎「気ぃついたらなってるもんちゃうのん?家族って」
衣「そう、なのかな」

洋榎「なんや書類ー、とか戸籍ー、とか」
洋榎「そんなん単なる手続きやん」
洋榎「赤の他人にそうですよーて伝えるだけの手段やんか」
衣「伝える?」

洋榎「せや、なんちゅうか…。自分がそう思ってることとは」
洋榎「自分が思ってればええ、ってことやなしに」
洋榎「ひとまず相手に見える形にする必要があるんやなあ」
洋榎「めんどいけどなあ」

洋榎「それと同じやん」

衣「同じかな?」
洋榎「ウチはそう思うってことやで?」
洋榎「せやから天江が、その家族にな」
洋榎「もう聞いたったらええねん」
洋榎「お姉ちゃんとしてなんかしたいねんけど、分からへんわーって」
衣「それでいいのか?」
洋榎「めっちゃ簡単やろ?」
衣「うん!」

洋榎「難しく考える必要ないわ」
洋榎「向こうが甘えによくしてくれるーとか」
洋榎「天江がなにかしてあげたいーとか」
洋榎「そんなん考えたってしゃあないやん」
洋榎「家族なんなら当然の事やん」
衣「家族なら…?」
洋榎「せや。やからな。天江」

洋榎「心配することない」
洋榎「あんたらは、既に家族なんや」

衣「…そうか」
衣「もう、家族か!」
洋榎「せや!お姉ちゃんとしてどうこう、とか考える必要もあれへん!」
洋榎「天江がやったことが、お姉ちゃんがやったことや!」
衣「わかりやすい!」
洋榎「せやろー、流石やろー」
衣「ちょっと凄いぞ!洋榎!」
洋榎「ちょっとかいな!」
衣「アハハハハハ」

絹恵「…ハァ。あれが愛宕姉の姿や」
浩子「体現しよるといやあそうやもんなあ」
絹恵「困ったお姉ちゃんやでホンマ」
浩子「いやはや、しっかし…。尊敬すべきお人やで」
絹恵「ホンマやね」

泉「…アカンてホンマ…」ボソ
泉「今やることちゃうやん…」ボソ


ーーーーー大お泊り会実行委員会本部サイド
大部屋

豊音「なんかシロが大変なことになってる気がするよー」
由子「まあ、あの面子やしそうやろね~」

宥「お姉ちゃんって立場か~」
塞「そそ」
宥「玄ちゃんに選んでもらったって感じかな~」
塞「ん?玄ちゃんに?」
宥「うん。わたしはお姉ちゃんになろうってなった訳じゃなくて」
宥「でも玄ちゃんがわたしの妹として生まれてくれて」
宥「それからわたしは玄ちゃんのお姉ちゃんになったんだよ~」ナデナデ
玄「むにゃ…」zzz

宥「わたしは玄ちゃんになにも敵わない」
宥「ダメなお姉ちゃんだけど…」
宥「でも、きっと玄ちゃんは」
宥「わたしにお姉ちゃんになって欲しかったんだな~って」
宥「だからわたしは玄ちゃんのお姉ちゃんで」
宥「それが自慢なんだ~」

塞「お…。これは…」

宥「ね~玄ちゃ~ん」ナデナデ
玄「むにゃ…。おねえちゃ…に手をださ…よーに…」zzz
宥「うふふ」ナデナデ

由子「とんでもないのよ~」
豊音「ちょー羨ましいよー」
憧「まあ、ここは特別よ」
怜「なんや憧ちゃんはお姉ちゃんと仲悪いん?」
憧「悪くはないけど…。ここまでじゃないですよ」

霞「一口に姉妹と言っても…。色々な形があるからね」
初美「実感がこもってますねー?」
霞「ま、ねえ…」

霞「頼んだわよ…。小瀬川さん…」


ーーーーー大お泊り会実行委員会本部 外出部隊サイド
路上

白望「…」

セーラ「よっしゃ行くでオラー!」フンス
穏乃「おっけーでーす!最初から100速でいっちゃいますよー!」フンス
漫「おらおらー!」フンス
小蒔「浮き輪です!」フンス

白望「…想像以上にダルい面子だな…これ…」
白望「一体どうしろと言うんだ…」

セーラ「ほんでどこ行ったらええねん!」フンス
穏乃「わかんないです!」フンス
漫「あきませんやんか!」フンス
小蒔「浮き輪です!」フンス
白望「…えーっと…」

セーラ「なんやシロロ!どないしたんや!」
穏乃「シロさん!まずどうすれば!」
白望「あのさあ…まず…。あの…」
漫「どないしましたん!」

白望「普通に喋って…」

セーラ「普通やんか!なあ!」
穏乃「ですよねえ!?」
漫「むしろ小瀬川さんが普通にしゃべりましょうよ!」
白望「えー…」

穏乃「あ!」
セーラ「どないしたんや!高鴨選手!」
穏乃「シロさん…。お腹が空いているのでは!?」
漫「なるほど!せやから元気あれへんのや!」
セーラ「分かるわー!ハラヘリやと力出えへんもんなあ!」
穏乃「食料調達が最優先では!?」
漫「ナイスアイデアや!高鴨選手!」
白望「いや、そうじゃなくてさ」

白望「距離感を大事にしよう…」

小蒔「zzz」スピー
セーラ「あかん!姫様が寝よった!」
白望「えー…」
小蒔「zzz」トテテ
漫「寝たまま移動し始めましたよ!?」
セーラ「着いて来い、ってことやんな」キュピーン
白望「そうかなあ…」
セーラ「おっしゃ姫様守りながらいくでー!」
漫「おー!」

穏乃「あ!このスピードなら向こうのコンビニ行ってから追いつけます!」
セーラ「おっしゃなんか買うてきたって高鴨選手!」
穏乃「おっけーです!うおおおおおおお!」ドドド

白望「帰りたい…」


ーーーーー大お泊り会実行委員会支部 偵察隊サイド
大会会場側

華菜「そうですねえ。お姉さんってのは…」
華菜「んー。こんなもんなんじゃないですかね?」
ゆみ「ほう?」
華菜「なんだろう。別にこうしようとかああしようとか」
華菜「こうしなきゃとか、ああしなきゃとか」
華菜「数えればきりがないんですけどね」

華菜「あいつらが生まれた頃から」
華菜「どっちかというとわたしが姉なんだって自覚はなくて」
ゆみ「そうなのか?」
華菜「はい。でも…」
華菜「ああ、こいつらが私の妹なんだなあと思って」
華菜「守ってやらなきゃとは思いましたね」

ゆみ「君に妹がいれば、つまり君は姉なんじゃないのか?」
華菜「まあ、戸籍とか血縁とか考えればそうなんでしょうし」
華菜「他人から見たらそうなんでしょうけど」
華菜「なんでしょう。わたし自身の考え方っていうんですかね?」
華菜「自分が姉である、っていうよりは」
華菜「自分に妹がいる、っていう感覚っていうか…」

華菜「だから、よく聞くでしょう?お姉ちゃんなんだから我慢しなさい、みたいな」
ゆみ「ああ、確かによく聞くな」
華菜「わたしはあれを言われてもピンと来ないんですよね」

華菜「わたしが姉であることは関係ないだろうっていう反発っていうか」
華菜「それは人から言われることじゃないっていうか…」
華菜「わたしはわたしだし!っていう」
華菜「なんでしょう?わたしが我儘だってことですかね!」

ゆみ「いやいや、そんなことは無いだろ」
ゆみ「貴重な意見だと思うよ」
ゆみ「しかし3人もとなると大変だろ?」
華菜「大変ですよー!それはもう!」
華菜「1人でも大変だろうに、3人ですからね!」
華菜「余計なことばっかり覚えるし…」
華菜「今回東京に来る前に髪切られそうになったり…」
ゆみ「髪を!?」
華菜「意味わからないでしょう?」アハハ

ゆみ「そうか。しかし、やはり君は」
華菜「はい?」
ゆみ「立派な姉なのだと思うな」
華菜「どうですかねえ」
ゆみ「あまり言われたくないか?」
華菜「いや、もしそうだったら…」

華菜「やっぱり嬉しいですよ」ニコー
ゆみ「そうか」フフ

桃子「池田さんこっちっすかー?」オーイ
華菜「ん?いや、そっちじゃないしー!」
桃子「もー!じゃあ先導してくださいっすー!」
華菜「わかったよー!」
ゆみ「すまんな。じゃあちょっと急ぐか」
華菜「もうすぐ着きますよ」

華菜「大会会場に」

ゆみ「蒲原…このタイミングでよかったか…?」

カン!

その32へ続く!

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